山形の絶景・グルメ・歴史文化を120%楽しめる旅行ガイド

山形の絶景・グルメ・歴史文化を120%楽しめる旅行ガイド

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

美しい自然に恵まれた絶景やグルメが充実する「山形」。
昔ながらの伝統が息づく古き良き街並みや、歴史的な建造物も多く、旅行先にもピッタリな魅力にあふれた地域だ。
広い面積を持つ山形は大きく4エリアに分かれており、気候や方言など独自の文化を形成しているのも特徴のひとつ。
この記事ではエリアごとの魅力と人気観光スポットをはじめ、ご当地グルメや主要交通手段など旅行に役立つ情報を紹介する。
定番・名所を網羅した1泊2日のモデルコースも提案しているので、山形旅行を計画している人は最後まで読んで参考にしてほしい。

目次

豊かな歴史・自然を五感で楽しめる「山形」

東北地方の南西部に位置する「山形」は、県土面積のおよそ72%を森林が占める自然豊かな地域だ。
鳥海山・出羽丘陵・飯豊山地など、日本百名山に数えられる山々に四方を囲まれている。
これらの地形的特徴から、良質な農畜産物の生産や優れた泉質を含む温泉が点在する。
特にさくらんぼの名産地として知られており、8割近い生産量は堂々の日本一を誇る。
また「出羽三山」・「上杉神社」をはじめとした歴史的な建造物のほか、伝統のある街並みも注目のポイント。

歴史的建造物と自然が調和した美しい景観も魅力のひとつ
歴史的建造物と自然が調和した美しい景観も魅力のひとつ

山形の平均気温と着衣例

山形は面積が広くエリアごとに異なる気候特性を持つが、全体的に夏は非常に暑く、冬は雪が多くて寒い。
つまり四季の変化が豊かであり、年間を通して自然が織りなす美しい景観も堪能できる。

山形の月別平均気温

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均気温(度) -0.1 0.4 4.0 10.2 16.2 20.3 23.9 25.0 20.6 14.1 7.7 2.4

山形の季節ごとの着衣例

  • 春(3月 - 5月): ジャケットおよびセーター
  • 夏(6月 - 8月): 薄手の着衣
  • 秋(9月 - 11月): セーターやカーディガン
  • 冬(12月 - 2月): コート、ウールスーツ、厚手のセーターやジャケット

山形へのアクセス

山形には空港も新幹線が停まる駅もあるため、大都市からのアクセスは良好。
東京からは新幹線なら約2時間50分、飛行機なら約1時間。
大阪からも飛行機なら約1時間20分程度で到着する。

東京・大阪から山形へ行く際の玄関口となる山形空港
東京・大阪から山形へ行く際の玄関口となる山形空港

仙台空港から主要駅へのアクセス

東北の空の玄関口となる「仙台空港」から山形駅へのアクセスを紹介しよう。
山形空港には国際線があるが、基本的に不定期のチャーター便を就航している。
時期によっては台湾-山形間で国際線定期便が運航されるため、公式サイトを確認すると良い。
直接の高速バスを利用すると便利だが、10時と17時30分の1日に2便しか運行していない。※2024年4月時点
予約は不要なものの本数が少なく先着順の乗車になるため、確実に利用したい場合は早めに並んでおくのがお勧めだ。
時間帯が合わない場合やバスに乗れなかった際は、電車でアクセスしよう。

バスでのアクセス

経路
1.「仙台空港」から「仙台空港1F バス2番のりば」まで徒歩で向かう
2「仙台空港1F バス2番のりば」で山交バス・山形駅前行に乗車し、「山形駅前」で降車
3.「山形駅前」から徒歩数分で到着
所要時間
約1時間30分

電車でのアクセス

経路
1.「仙台空港」から「仙台空港駅」まで徒歩で向かう
2.「仙台空港駅」から仙台空港アクセス線・仙台行に乗車し、「仙台駅」で下車
3.「仙台駅」からJR仙山線・山形行に乗車し、「山形駅」で下車し到着
所要時間
約2時間10分

山形の主要交通手段

山形観光における主要交通手段は、電車と路線バスの2つ。
これらをエリア・目的地に応じて、使い分ければ大体の観光スポットは巡れるため、積極的に活用しよう。
電車は新幹線も停車するターミナル・山形駅に乗り入れる、「仙山線」・「JR左沢(あてらざわ)線」・「奥羽本線」の3線が中心になる。
路線バスは基本的に「山交バス」を利用するため、系統・行先を間違えないように気を付けてほしい。
山形市内を観光する場合は、山形駅から周辺スポットを巡回する「ベニちゃんバス」への乗車もお勧め。
「東くるりん」と「西くるりん」の2種類・計4経路で運行しており、うまく活用すれば効率的に観光できる。

山形のターミナル駅「山形駅」
山形のターミナル駅「山形駅」

山形旅行する前に知っておくべき4つのエリア

日本全国で9番目に面積の広い山形県は、文化や方言など異なる特色を持つ4つのエリアに分類される。
1度の旅行で全てを巡るのは難しいため、プラン計画時は訪れるスポットを絞るのがお勧め。
エリアごとに魅力と人気観光地を紹介するので、参考にしてほしい。

人気観光スポットが集まる「村山エリア」

山形のほぼ中央に位置する「村山エリア」。
観光の玄関口・山形市のほか、人気の絶景スポット「霞城公園」・「山寺」・「蔵王の樹氷」も含まれる県の中心的な場所。
山々に囲まれた盆地であり、さくらんぼを筆頭にスイカ・ラフランスなど年間を通して旬のフルーツ狩りを楽しめる。
村山エリアを観光するなら、歴史的な建造物や風情漂う温泉地である「銀山温泉」や「蔵王温泉」に宿泊しよう。

自然が創りだした冬限定の芸術・蔵王樹氷
自然が創りだした冬限定の芸術・蔵王樹氷
ノスタルジックな雰囲気と風情を堪能できる人気温泉地「銀山温泉」
ノスタルジックな雰囲気と風情を堪能できる人気温泉地「銀山温泉」

ノスタルジーと歴史を感じられる「最上エリア」

新幹線の終着駅もある新庄市が中心を担う「最上エリア」は、山形の北東部に位置する。
「肘折温泉郷」をはじめ、日本の原風景を感じさせるレトロな温泉地が点在する自然に恵まれた地域。
人気の観光スポットは日本三大急流にも数えられる「最上川」や、1969年に重要文化財の指定を受けた歴史的な建造物「旧有路家住宅」。
上述の「旧有路家住宅」に俳人・松尾芭蕉と弟子が滞在後に越えた、標高約470mの峠道「山刀伐峠(なたぎりとうげ)」も人気の観光スポットのひとつだ。
ノスタルジックな気分を味わいながら、絶景・グルメを堪能できる魅力的なエリアだ。

日本三大急流のひとつ、山形を代表する河川「最上川」
日本三大急流のひとつ、山形を代表する河川「最上川」
紅葉が美しい峠道「山刀伐峠(なたぎりとうげ)」
紅葉が美しい峠道「山刀伐峠(なたぎりとうげ)」

山形の歴史とグルメを堪能できる「置賜エリア」

山形の南部一帯を占める「置賜エリア」は、城下町・米沢で有名な場所。
戦国武将・上杉謙信(うえすぎけんしん)に由来する観光名所が多いのが特徴だ。
かつて米沢城があった、松岬公園の本丸跡に建つ「上杉神社」もそのひとつ。
個性豊かな秘湯が散らばっており、隠れた温泉王国としても人気を誇る。
ブランド牛「米沢牛」を筆頭に、ぶどう(ワイン)やラーメンなど極上グルメの数々も見逃せない。
「熊野三山(和歌山)」・「熊野皇大神宮(長野)」とともに日本三熊野のひとつに数えられ、特に縁結びで有名な県内有数のパワースポット「熊野大社」も置賜エリアにある。

ワインをはじめとする、極上グルメを堪能しよう
ワインをはじめとする、極上グルメを堪能しよう
県内有数のパワースポット熊野大社
県内有数のパワースポット熊野大社

バリエーション豊かな絶景を楽しめる「庄内エリア」

山形の北西部に位置する「庄内エリア」は、海・山・川・平野が多彩に展開する美しく豊かな自然にあふれた場所。
山岳信仰の聖地「出羽三山(月山・羽黒山・湯殿山)」もあり、海外からの参拝者も多く訪れる。
4エリアの中で唯一海に面しており、新鮮なお刺身や海の幸を堪能できるのも魅力だ。

山形で唯一の海が見られる庄内エリア
山形で唯一の海が見られる庄内エリア
庄内エリアを旅行するなら訪れるべき山岳信仰の聖地・出羽三山
庄内エリアを旅行するなら訪れるべき山岳信仰の聖地・出羽三山

山形の歴史と伝統文化を感じる1泊2日モデルコース

ここからは広大な山形を効率的に巡る、1泊2日のモデルコースを紹介していく。
2日間で庄内エリアおよび、村山エリアと置賜エリアの人気観光スポットを回れるようにプランを組んだ。
各地の特色や伝統を短時間でも味わえるように、見どころを凝縮した内容になっている。
山形の旅行プランに迷ったら、参考にしてほしい。
なお、1日目のスタート地点であるJR鶴岡駅は、山形駅から2時間〜3時間ほどと離れている点に気を付けてほしい。

1日目:庄内エリアの歴史を感じるスポットを巡る

モデルコース初日は「庄内エリア」で、山形が紡いできた歴史・伝統と触れ合おう。
山形自慢の美しい自然はもちろん、思わず目を奪われる華麗な建造物の数々を見て回るプランになっている。
それぞれに異なる特色を持っており、多彩で細やかな技術にも感動するはずだ。
周囲に溶け込んだ古き良き街並みも楽しんでほしいポイントのひとつ。
最後はノスタルジックな雰囲気が魅力の「銀山温泉」に行って心身ともに疲れを癒し、充実に満ちた1日を終える。

10:40 JR鶴岡駅からスタート

1日目は、JR鶴岡駅からスタートだ。
庄内バスに乗って、最初の目的地である「羽黒山五重塔」に向かおう。

1日目のスタート地点・JR鶴岡駅
1日目のスタート地点・JR鶴岡駅

11:30 歴史的建造物「羽黒山五重塔」と自然が調和した絶景を楽しむ

東北地方最古の塔と言われる国宝「羽黒山五重塔」は、約600年前に平将門(たいらのまさかど)が創建したと伝わる歴史的建造物。
高さ29mの五重塔は羽黒山の杉並木の中にひっそりと佇み、周囲の豊かな自然や近くの樹齢1,000年の巨杉「爺杉(じじすぎ)」が美しさを引き立てる。
素木造りと柿葺きの屋根が特徴で、どこから見ても絵になる優美な姿が魅力。
一本の釘も使用せずに、立てられた精巧な技術も近くで感じてほしい。
※2025年の春ごろまで屋根の改修工事中、工事期間(2024年5月13日~9月30日予定)は見られないので注意、公式サイト要確認

深い緑に包まれた五重の塔
深い緑に包まれた五重の塔

12:35 「三神合祭殿」でご利益をさずかる

「羽黒山五重塔」の後はバスで羽黒山頂まで行き、出羽三山(月山・羽黒山・湯殿山)の三神を祀る日本随一の大社殿「三神合祭殿」に向かおう。
ここで参拝すれば三神全てをお参りしたとされ、ご利益をいただける。
三山の中で、唯一11月以降も参拝できる点もありがたい。
中世の構造をとどめる貴重な萱葺木造建築に、日本最大級の萱葺き屋根・総朱塗りの内部など見応えも十分。
古来より信仰を集める本殿前の「御手洗池」も見どころ。

大きな茅葺き屋根が特徴的な三神合祭殿
大きな茅葺き屋根が特徴的な三神合祭殿

13:50 「致道博物館」で地域の歴史と風情を感じる

「三神合祭殿」でパワーをもらった後は、バスで内川通りまで行こう。
バス停から約10分歩くと、旧庄内藩主酒井家の御用屋敷の場所に立つ「致道博物館」が見えてくる。
同博物館は鶴岡の歴史を知る上で欠かせない施設だ。
敷地内には重要文化財「旧西田川郡役所」・「多層民家」をはじめ、多数の歴史的建築物が移築されており、資料とともに公開・展示されている。
レトロな洋風建築に日本庭園など、和洋折衷が調和する雰囲気も良い。

庄内地方の歴史的建造物を移築・公開
庄内地方の歴史的建造物を移築・公開

15:30 国の史跡「山居倉庫」で歴史情緒を満喫

「致道博物館」を巡ったら、鶴岡駅に戻り特急電車で酒田駅へ行き、タクシーで庄内のシンボル「山居倉庫」に向かおう。
今も現役で活躍中の同倉庫は、1893年に建てられた国史跡。
NHK朝の連続テレビ小説ドラマ「おしん」を筆頭に、数々の作品のロケ地に選ばれる美しい雰囲気が魅力的だ。
ひと際目立つ樹齢150年を超えるケヤキ並木は美しさだけでなく、西日や強風避けの機能も兼ね備えており、随所に見られる先人の知恵にも注目したい。

国の史跡にも指定されている米保管倉庫
国の史跡にも指定されている米保管倉庫

19:40 「銀山温泉」でノスタルジーな雰囲気と温泉に癒される

「山居倉庫」を満喫後はタクシーで鶴岡駅に戻り、電車に乗って大石田駅へ。
大石田駅からタクシーに乗って、初日の最終目的地「銀山温泉」を目指そう。
豊かな自然に囲まれた「銀山温泉」は、ノスタルジックな街並みが魅了する温泉地だ。
温泉街には大正末期〜昭和初期にかけて建てられた木造旅館が並び、歩いているとタイムスリップしたかのような非日常感を味わえる。
特にガス灯が灯る夕暮れ時は、映画の一コマのような風情が漂う。
効能に優れた泉質を持つ、足湯や無料の共同浴場も楽しもう。

大正ロマンあふれる温泉街
大正ロマンあふれる温泉街

2日目:村山エリアと置賜エリアの人気観光スポットを巡る

「村山エリア」・「置賜エリア」の定番観光スポットを巡るのが、モデルコースの2日目のプラン。
煩悩を打ち消すと言われる石段がある「山寺(宝珠山立石寺)」から始まり、様々なご利益をいただける「上杉神社」で終える構成を組んでいる。
しっかりと運気・英気を養うことで、旅行を終えたころには機運が高まっているはずだ。
その他、映画「るろうに剣心」のロケ地や貴重な日本酒が試飲できる資料館など、バラエティーに富んだ内容を楽しめるのが魅力。
なお「銀山温泉」から駅までの始バスは9時50分であるため、朝はタクシー(所要時間約35分)を利用してほしい。

7:30 大石田駅からスタート

「銀山温泉」の最寄り駅である大石田駅から2日目はスタート。
大石田駅からJR奥羽本線・山形行に乗車し、羽前千歳(うぜんちとせ)駅でJR仙山線・仙台行に乗り換えて、山寺駅で下車しよう。
駅から徒歩約5分で、最初の目的地「山寺(宝珠山立石寺)」に到着する。
なお電車は2時間に1本程度しか運行していないので、時間には余裕を持ち、乗り遅れ・間違えには十分注意してほしい。※2024年4月現在では7時51分発の電車

銀山温泉の最寄り駅・大石田駅
銀山温泉の最寄り駅・大石田駅

9:30 「山寺(宝珠山立石寺)」で史跡と絶景を楽しむ

天台宗のお寺である「山寺(宝珠山立石寺)」は、860年に慈覚大師・円仁(えんにん)によって開かれた歴史的名刹。
山全体が修業の場になっており、古来より悪縁を断ち切ると信仰を集めてきた。
特に有名なのは、奥之院参拝の王道ルートである1,015段の石段。
松尾芭蕉が訪れたことでも知られ、石段を登るごとに煩悩が消滅すると言われている。
参道には大小の史跡や絶佳の景観が広がり、知的にも感覚的にも楽しめるのが魅力。

1015段の石段を登り参拝!悪縁を断ち切ると伝わる寺
1015段の石段を登り参拝!悪縁を断ち切ると伝わる寺

12:00 山形県郷土館「文翔館」で職人の技に感動

「山寺(宝珠山立石寺)」の次は、英国近世復興様式のレンガ造りが印象的な山形郷土館「文翔館」に向かおう。
外観は花崗岩で覆われた重厚感のある佇まい、内部には大理石の柱やステンドグラス、シャンデリアがあり、大正ロマンを感じさせる豪華な装飾が特徴。
シンボルの時計台は日本で2番目に古く、100年を超えた現在も時を刻み続ける姿は感動もの。
入場は無料で、思う存分に様式美や繊細な職人の技を見学できるのもうれしい。

豪華絢爛な大正時代の建築物
豪華絢爛な大正時代の建築物

15:00 「酒造資料館 東光の酒蔵」で日本酒の魅力を感じる

「文翔館」の景観を堪能したら、バス・JR線を乗り継ぎ米沢駅まで行こう。
駅からバス約10分で、東北最大級の「酒造資料館 東光の酒蔵」に着く。
老舗・小嶋総本店が展開する館内は明治時代の酒蔵を想像させる趣深い空間で、酒造りの歴史や文化を展示・音声ガイドを通して学べる。
希少銘柄「東光」の試飲もできるので、お酒が苦手でなければいただこう。
日本酒の深い魅力、製造過程に込められた職人の技と精神を感じ取れるはずだ。

東北最大級の酒造資料館
東北最大級の酒造資料館

16:00 「上杉神社」でパワーを充電

「東光の酒蔵」でお酒を楽しんだら、バス(徒歩)で「上杉神社」に向かおう。
「上杉神社」は戦国最強の武将と名高い上杉謙信を祭神に祀り、米沢城本丸の跡地に建立された。
上杉謙信の銅像・軍旗をはじめ、境内の「稽照殿(けいしょうでん)」には甲冑など、上杉家ゆかりの貴重な重要文化財が展示されている。
開運招福や商売繫盛のご利益が期待できるパワースポットでもあるため、きっちり勝ち運をいただき山形旅行を締めくくろう。

戦国時代に名を馳せた上杉謙信を祀る神社
戦国時代に名を馳せた上杉謙信を祀る神社

山形で味わうべきご当地グルメ3選

山形は伝統的な郷土料理から豊かな自然から採れるフルーツなど、様々なジャンルの絶品が揃う食の宝庫。
その中でも、歴史を反映し県民からも深く愛されるご当地グルメを3つに厳選して紹介する。
いずれも山形を代表する人気料理なので、旅行で訪れたらぜひとも堪能してほしい。

1. 玉こんにゃく

玉こんの愛称で親しまれる「玉こんにゃく」は、山形に旅行で訪れたら必ずと言っていいほど目にする県民のソウルフード。
観光地の近くや道の駅など、県内の至る所で販売しており、いつ・どこでも食べられる。
一般的には、スルメだしのしょうゆで煮込んだ2~3cmほどの球状のこんにゃくを、竹串に刺して(3,4個)売られている。
素朴な味付けにプリプリとした食感が人気で、こんにゃくが持つ素材の美味しさを感じられるのが魅力だ。
添えられた練りがらしをつけると、ピリッとアクセントが効いて楽しめる。
老若男女を問わず食べやすく、低カロリーで満足感を得られるのもうれしい。
モデルコースで紹介した「山寺(宝珠山立石寺)」周辺で販売する、名物「力こんにゃく」もお勧め。

県民のソウルフード「玉こんにゃく」を味わってみよう
県民のソウルフード「玉こんにゃく」を味わってみよう

2. 冷やしラーメン

山形は雪国のイメージが強いかもしれないが、夏は猛暑、冬は極寒という気候が特徴だ。
特に夏の暑さは強烈で2007年までの74年間に渡り、日本の最高気温(40.8℃)を記録していた。
そんな背景もあり、暑さを和らげるための様々な冷やし文化が山形で考案されている。
山形発祥と言われる「冷やしラーメン」は代表格の人気メニュー。
通常のラーメンでは見ることのない氷がスープに浮かんでおり、清涼感のある見た目に驚くだろう。
ラーメン本来のこってり感もありながら、夏バテの体でも食べやすい奥深い味わいを楽しめる。
氷が溶けても醤油ベースのスープや、全体の味・風味が変わらないのも魅力で、新感覚な食事体験ができる。
山形ならではの料理とも言えるので、旅行で訪れたらぜひ食べてほしい。

全国的にも珍しい、冷たいラーメン
全国的にも珍しい、冷たいラーメン

3. どんどん焼き

山形県の伝統的なB級グルメ「どんどん焼」は、お好み焼きに似た粉ものの料理。
小麦粉の生地を薄く伸ばして焼き、その上に魚肉ソーセージ・海苔などを乗せ、割り箸にくるくるとロール状に巻いて提供されるのが一般的だ。
東京下町を代表するもんじゃ焼きをルーツに持ち、大正時代(1912年〜1926年)に生まれたとされる「どんどん焼き」は地域性があり様々な形で発展した。
昭和ごろに伝わった山形では、酸味の強いソース味が一般的で、現在も家族で楽しむ想い出の味に定着している。
同メニューを屋台で売る時に、太鼓を"ドンドン"と鳴らしたことが名前の由来と言われている。
どこか懐かしくクセになる味わいが特徴で、小腹が空いた時やおやつにもピッタリなファストフード感覚で食べられるのもポイント。
屋台・スーパーで売っているので、食べ歩きながら観光するのもお勧め。

山形の伝統的なB級グルメ「どんどん焼」
山形の伝統的なB級グルメ「どんどん焼」

春の山形旅行で訪れるべき桜の名所

四季折々に特別な表情を見せる山形は、春夏秋冬を楽しめるのが魅力。
春に訪れるならば、桜の名所を巡るプランを計画してほしい。
春の絶景スポットでも紹介した「霞城公園」は、県内で1、2を争うほど外せない場所だ。
お堀沿いの桜がライトアップされる幻想的な夜桜も必見。
国内最大級の「エドヒガン(世界でも数少ないサクラの品種)の群生地」として知られる、南陽市(置賜エリア)の「烏帽子山公園(えぼしやまこうえん)」もお勧めのスポット。
全国有名桜の二世木も含む約25種1,000本の桜が、山を覆い尽くすように咲き誇る風景は息をのむ美しさ。
近くの温泉街から見渡すパノラマ景色も一見の価値がある。
庄内エリアでは、藩政時代の面影を残す鶴岡市の「鶴岡公園」に咲く700本の桜が見応えがあって良い。
例年の桜の見頃や開花日は以下の表を参考にしよう。
ただし面積の広い山形は、エリアや気候ごとに前後する可能性もあるので注意も必要だ。

開花日
4月13日
満開日
4月18日
桜の見頃
4月18日〜4月24日
白を基調にした霞城と薄紅色の桜が調和した雅な景観
白を基調にした霞城と薄紅色の桜が調和した雅な景観
大鳥居を枝垂れ桜やソメイヨシノが囲む風景
大鳥居を枝垂れ桜やソメイヨシノが囲む風景
ぼんぼりに照らされる幻想的な夜桜
ぼんぼりに照らされる幻想的な夜桜

秋の絶景を見るならココ!山形の紅葉の名所

山形は美しい紅葉にも恵まれており、各地に名所が点在する。
秋の絶景スポットをはじめ、度々紹介してきた「山寺(宝珠山立石寺)」・「銀山温泉」はその代表格だ。
「銀山温泉」付近に位置する「白銀公園」は、色づいた紅葉と清流が織りなす景色を楽しめる絶好のポイント。
いずれも村山エリアにあり、上述のモデルコースに組み込まれているので、秋に山形へ旅行するならぜひプランを採用してほしい。
天元台ロープウェイから眼下一面に広がる、米沢市(置賜エリア)の「西吾妻スカイバレー」も格別な眺望を味わえる。
その他、「最上峡」や「鶴間池」など最上・庄内エリアにも紅葉の名所があるので、旅行先付近で探しても良いだろう。
例年10月中旬〜11月下旬に見頃を迎えるスポットが多いが、桜の名所と同様にその年の気候やエリアに左右される。
観光前にピークや開花状況を調べておくのがお勧め。

迫力ある特異な景観を見に行こう
迫力ある特異な景観を見に行こう
山と湖が紅葉に染まる絶景
山と湖が紅葉に染まる絶景
情緒あふれる温泉街から眺める紅葉は格別
情緒あふれる温泉街から眺める紅葉は格別

冬の山形旅行で訪れるべき絶景スポット「蔵王」

東北地方最大級のマウンテンリゾート・山形県の蔵王。
冬はウィンタースポーツのメッカとして、また木々に雪や氷が付着してできる「樹氷」を目当てに多くの観光客が訪れる。
樹氷は気温・風向き・積雪量など、特殊な条件がそろう場合にのみ形成されるため、奥羽山脈の一部の山域でだけ見られる貴重な風景だ。
冬に山形を旅行するなら、モデルコースにプラスして「蔵王」を観光してみてほしい。

“スノーモンスター”とも呼ばれる、世界に類を見ない圧巻の景色
“スノーモンスター”とも呼ばれる、世界に類を見ない圧巻の景色

山形旅行に関するよくある質問

Q

山形を旅行するのにお勧めの季節は?

A

さくらんぼ狩りが最盛期を迎える6月下旬〜7月、気候的に過ごしやすく田畑と紅葉のコントラストが美しい11月がお勧めのシーズンです。

Q

親子旅行でお勧めの山形の観光スポットは?

A

60種類以上のクラゲの展示やクラゲ料理を味わえる「鶴岡市立加茂水族館」や、ノスタルジックな雰囲気が漂う「銀山温泉」がお勧めです。

まとめ

山形のエリア別の魅力や人気観光名所をメインに、お勧めのご当地グルメ・モデルコースを紹介してきた。
昭和レトロや大正ロマンを感じさせるスポットも多い山形は、都会で味わえない郷愁を誘う魅力がある。
昔懐かしい日本の良さも再発見もできるので、一度は旅行で訪れてほしいお勧めの地域だ。
山形の定番観光スポットを詳細に説明している、こちらの記事も合わせてチェックしよう。