古き良き日本の美しさと自然美を満喫!愛媛の旅行ガイド
海と山の両方に恵まれた自然景観や歴史的スポットの数々、日本最古の温泉など、その魅力は多岐にわたる愛媛。
この記事では愛媛旅行を検討している方に向けて、エリア別の魅力と見どころ、交通情報、ご当地グルメ、モデルコースといった旅行前に知っておくべき情報を網羅的にご紹介。
記事を参考にすれば、少ない日数の旅行でも愛媛の魅力を存分に感じられるだろう。
目次
多島美と古き良き日本の美しさを満喫できる「愛媛」
愛媛は日本の南西にある島「四国地方」の北西に位置しており、県土の北部は瀬戸内海、西部は宇和海に面する。
瀬戸内海や宇和海に浮かぶ、200ほどの島々と美しい海はまさに絶景。
本州の広島とは「しまなみ海道」で結ばれており、本州から四国への玄関口ともなっている。
高知との県境にあたる南部には四国山地があるため、海と山両方の自然に恵まれている。
日本100名城のひとつである「松山城」をはじめ、歴史的建造物の数々も魅力のひとつ。
路面電車が市街地を走るレトロな雰囲気も含めて、日本の歴史や文化をいたる所で感じられる。
愛媛の魅力を語るには「日本三古湯」のひとつであり、日本最古の温泉として知られる「道後温泉」は欠かせない。
重要文化財にも指定されている建築物と肌に優しい泉質、風情溢れる温泉街が魅力で、日本を代表する文豪である夏目漱石(なつめそうせき)の小説の舞台にもなっている。
また、柑橘類の栽培が盛んで、特に愛媛のみかんは有名。その生産量は全国の8割を占めるほどだ。
愛媛の平均気温と着衣例
愛媛は基本的に温暖で、北部の平野部では雨や積雪が少なく、内陸の山間部では雨と共に積雪も多い。
松山と宇和島では真夏日の年間日数が60を超え、盆地の大洲では75日達することもあるため、夏に愛媛を旅行するならしっかり熱中症対策してほしい。
愛媛の月別平均気温
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平均気温(度) | 5.9 | 6.1 | 9.0 | 13.7 | 18.4 | 22.0 | 26.2 | 27.4 | 24.0 | 18.6 | 13.0 | 8.1 |
愛媛の季節ごとの着衣例
- 春(3月 - 5月): 軽めのジャケットおよび薄手のセーター
- 夏(6月 - 8月): 薄手の着衣、半袖
- 秋(9月 - 11月): 軽めのジャケット、コート
- 冬(12月 - 2月): コート、ウールスーツ、厚手のセーターやジャケット
愛媛へのアクセス
東京から愛媛まで飛行機で約1時間40分。大阪からも飛行機で約1時間とアクセス良好。
愛媛における空の玄関口である「松山空港」は国際線も有しており、台湾・韓国・中国から直接アクセスできる。
松山空港から主要駅へのアクセス
国内外から愛媛を訪れる際の玄関口となる松山空港を起点に、「松山駅」と「今治駅」へのアクセスを紹介しよう。
松山駅は愛媛の中心的な駅であり、観光スポットを巡る際の移動拠点になる。
愛媛北部の「今治市」にある今治駅は、松山駅と並ぶ愛媛を代表的する駅のひとつ。
今治市の周辺にも観光スポットが多く、愛媛北部を観光する場合は利用する機会が多いはずだ。
松山空港から松山駅
- 経路
- 松山空港からリムジンバスに乗り、JR松山駅前で下車
- 所要時間
- 約15分
松山空港から今治駅
- 経路
-
1.松山空港から徒歩で約7分のバス停から伊予鉄バスに乗車し、バス停JR松山駅前で下車
2.バス停から徒歩7分ほどのJR松山駅からJR予讃線に乗車し、今治駅で下車 - 所要時間
- 約1時間15分
愛媛の主要交通手段
愛媛の主要交通手段は電車とバスとなる。
鉄道は主に海沿いにしか通っていないため、バスも上手く活用してほしい。
また、スポットによっては公共交通機関だけではアクセスできない場合もあるため、タクシーやレンタカーの利用も検討しよう。
愛媛旅行前に知っておくべき3つのエリアの魅力
愛媛を旅行するなら、3つのエリアの魅力と見どころを把握しておこう。
共通する魅力はあるものの、それぞれ異なる特徴を持つため、エリアを把握した上で旅行プランを立ててほしい。
多島美・山岳景観など多様な自然景観を満喫できる「東予エリア」
愛媛の北東部に位置する「東予エリア」。
瀬戸海に面するだけでなく、山間部も平野部もあるため、多様な自然景観を楽しめる。
日本初の「海峡を横断できる自転車道」と知られ、サイクリストの聖地となっている「しまなみ海道」があるのもこのエリアだ。
サイクリングしなくとも、しまなみ海道随一の眺望を誇る「亀老山展望公園」には訪れておきたい。
西日本最高峰の「石鎚山」もあり、険しい山肌からは自然の迫力と美しさを感じられるだろう。
その他にも、高原や渓谷といった絶景スポット、東洋のマチュピチュと呼ばれる「東平」などの産業遺産やお城、神社仏閣など見どころが盛りだくさん。
また、人口10万人を超える都市が連なるエリアであり、日本が世界に誇る「今治タオル」が生産されている「今治市」もそのひとつだ。
約2万点を超える今治タオルの販売や、タオル織体験やタオル織機の実演を見られる「今治タオル本店・今治タオルLAB」でお土産を購入するのもお勧めだ。
愛媛の歴史文化を感じられるスポットが集まる「中予エリア」
愛媛の中部「中予エリア」には、日本と愛媛の歴史・文化を感じられるスポットが多い。
「日本三古湯」に数えられ、日本最古の書物「古事記」にも登場する道後温泉もそのひとつだ。
中心都市の「松山市」も中予エリアに位置し、市のシンボルとなる「松山城」も人気の観光スポット。
江戸時代(1603年〜1868年)から現存する建築物の多くは、国の重要文化財に指定されている。
中予エリアには自然景観を楽しめるスポットもあり、高知県へとまたがる「四国カルスト」では、春は草花と新緑、夏は濃い緑色と高山植物、秋はススキが一面に広がり、四季を通して広々とした高原の美しさを楽しめる。
日本の古き良き風景と美しい自然が魅力の「南予エリア」
愛媛の南西部に位置する「南予エリア」は、山や海、川などの豊かな自然が魅力。
南予エリアの北部は瀬戸海、南部はリアス式海岸が特徴の宇和海に面しており、それぞれの海が持つ魅力を満喫できる。
宇和海でシュノーケリングして、生息する熱帯魚や珊瑚を観察するのもお勧め。
その他にも、清流が流れる滑床渓谷や成川渓谷、四国カルスト台地など癒やしを感じられる自然景観が多い。
棚田や段畑を見どころとする、美しい日本の農村風景も南予エリアの魅力のひとつ。
レトロな街並みも残っているため、日本の古き良き文化や風景、美しい自然を満喫できるエリアだ。
愛媛を満喫するために必要な日数
松山市を中心に人気観光スポットだけを巡るなら、1泊2日でも愛媛を満喫できる。
ただし、東予エリア・南予エリアも巡る場合は、2泊3日は確保しておきたい。
愛媛の人気観光スポットを巡る1DAYモデルコース
ここからは愛媛の人気観光スポットを公共交通機関だけで巡る、1DAYモデルコースを紹介しよう。
日本と愛媛の歴史文化、風情や情緒を感じられる1日になるだろう。
愛媛の旅行プランに迷ったら、紹介するモデルコースを参考にしてほしい。
9:00 伊予鉄松山駅前電停からスタート
まずは伊予鉄松山駅前電停から、路面電車に乗って1つ目のスポット「松山城」へ。
20分ほど乗車したら大街道電停で下車し、ロープウェイに乗り換えよう。
長者ヶ平で降りたら、歩いて約10分で天守入口に到着する。
9:30 難攻不落の「松山城」を散策
松山市のシンボルになっており、難攻不落の城としても名高い松山城。
天守を含めて21もの重要文化財があり、天守や一ノ門、紫竹門といった見所も多い。天守の内部には、貴重な資料も展示されている。
格子窓形式の突揚げ戸や、狭間や石落といった難攻不落の工夫を見学するのも楽しい。
城内を散策して松山に残る日本の歴史と文化を楽しもう。
11:00 「郷土料理 五志喜」でランチ
松山城を散策したらロープウェイで下り、歩いて約10分の場所にある「郷土料理 五志喜」へ。
1635年創業の歴史ある和食店。新鮮な真鯛や伊予和牛、媛ポークなど、地元の食材をふんだんに使った郷土料理が楽しめる。
看板メニューの鯛めしは、その日に仕入れた鮮度抜群の鯛だけを使用。
鯛めしの食べ方は宇和島鯛めし(刺身をのせたもの)と松山鯛めし(鯛をたきこんだもの)の2種類あるが、どちらも用意されている。
愛媛の名物グルメを少し早めのランチにいただこう。
12:00 「坂の上の雲ミュージアム」で歴史文化・小説の世界に浸る
鯛めしを味わったら、歩いて約10分の場所にある「坂の上の雲ミュージアム」へ向かおう。
松山出身の「秋山真之」、「秋山好古」、そして「正岡子規」の3人が主人公の司馬遼太郎著『坂の上の雲』。
この小説をテーマに建てられたのが坂の上の雲ミュージアムである。
地下1階、地上4階建てのミュージアムは、世界的建築家・安藤忠雄氏によるもので、松山城周辺の歴史や自然を意識して設計。
展示だけでなく、建物の外観・内装も楽しもう。
13:00 「萬翠荘」で建築物と美術品の美しさに浸る
小説の世界を満喫したら、歩いてすぐの場所にある「萬翠荘」にも寄っていこう。
1922年に旧松山藩主の子孫にあたる久松定謨 伯爵が、別邸として建設した萬翠荘。
陸軍駐在武官として長くフランスで暮らした経験により、フランス式のネオルネッサンス様式で建てられた。
デザイン、構造、調度、装飾など全てを第一級品で設え完成し、ヨーロッパの人も驚くほどのフランス風の美しい建造物を見学していこう。
美術品の展示も行っているため、展示を楽しむのも忘れずに。
14:30 風情あふれる「道後商店街」を散策
萬翠荘の最寄り駅である伊予鉄道大街道駅へ戻り、路面電車で道後温泉駅へ。
駅を降りたら、レトロな雰囲気が漂う温泉街が目の前に広がる。
日本最古の歴史書である「日本書紀」にも登場する、「日本三古湯」のひとつである「道後温泉」。
日帰り入浴できる施設が点在しているが、まずは温泉街を散策しよう。
特に道後商店街は、沢山の土産店や飲食店などが軒を連ねており、食べ歩きやお土産選びを楽しめる。
15:30 「道後温泉本館」で温泉と日本情緒に浸かる
温泉街の散策を終えたら、いよいよ「日本三古湯」のひとつである道後温泉に入浴してみよう。
脚を痛めた白鷺が道後温泉で傷を癒やしたという伝説が残されている。アルカリ性単純泉の湯質は、肌に優しいなめらかなお湯で、刺激が少なく湯治や美容にも適している。
道後温泉本館は国の重要文化財にも指定されており、歴史を感じさせる壮麗な建築物が特徴。
日帰り入浴が可能なため、旅の疲れを癒やしてほしい。入浴の前後に、建物の外観や内装もゆっくり眺めるのもお勧めだ。
1泊できるなら訪れるべき愛媛の絶景スポット「四国カルスト」
愛媛で1泊でき、レンタカーを利用できるなら「四国カルスト」に足を運んでほしい。
四国カルストは愛媛県と高知県にまたがる、東西約25kmに広がるカルスト台地で、標高およそ1,400mの高原地帯。
「日本三大カルスト」のひとつに数えられ、春は草花と新緑、夏は濃い緑色と高山植物、秋はススキが一面に広がり、四季を通して広々とした高原の美しさを楽しめる。
白い石灰岩が高原に点在する、カルスト台地ならではの景色も見逃せない。
四国カルストを通って高知へ向かい、高知旅行を楽しむのもお勧めだ。
サイクリングが好きなら旅行プランに加えるべき「しまなみ海道」
本州と四国を結ぶ約60kmの「しまなみ海道」。広島県尾道市から愛媛県今治市までを結んでおり、瀬戸内海に浮かぶ6つの島々を橋で渡れる。
新尾道大橋以外の各橋には、原動機付き自転車道及び自転車・歩行者専用の道路が整備されており、瀬戸内海に浮かぶ島々の風景を眺めながらサイクリングを楽しめる。
サイクリングが好きな方は、愛媛旅行の2日目をしまなみ海道でのサイクリングにあてても良いだろう。
愛媛旅行で外せないご当地グルメ3選
愛媛に数あるご当地グルメの中から、特に人気の高いご当地グルメを紹介しよう。
愛媛の豊かな自然で育まれた食材の味を堪能できるグルメは、まさに絶品。
観光だけでなく、グルメも愛媛で満喫しよう。
1. じゃこ天
じゃこ天とは練り物のひとつで、小魚を皮や骨ごとすりつぶして揚げたもの。
新鮮な小魚が豊富に獲れる宇和海の近く、宇和島市などで特に親しまれているご当地グルメ。
ほのかな塩味と凝縮された魚の旨味は絶品。
揚げたてをそのまま味わうのが基本だが、醤油と大根おろしをつけて食べるのもお勧め。季節を問わず食べられ、お酒のつまみにもなる。
カルシウムやミネラルなどが多く、栄養満点なのも嬉しいポイントだ。
愛媛や宇和島市では、おでんやうどんの具材の定番となっている。
2. 宇和島鯛めし
魚の養殖場に適したリアス式海岸の宇和海では、特に鯛の養殖が盛んに行われおり、愛媛の鯛の生産量は日本一。
愛媛の鯛は白身魚らしい淡白さ、脂身の甘味と鯛本来の旨味、弾力のある身質が特徴だ。
そんな愛媛の鯛を使ったご当地グルメが「宇和島鯛めし」。
醤油やみりん、出汁などで味付けしたタレに鯛の刺身を漬け込み、味が染み込んだ刺身をご飯の上に乗せたものが宇和島鯛めしだ。
タレと鯛本来の旨味が相乗効果を成し、口の中いっぱいに風味が広がる。
ご飯の熱によって鯛の脂身が溶け出すため、脂身の甘さと旨味をより感じられる点も魅力のひとつ。
松山市でも鯛めしが有名だが、宇和島鯛めしとは少し異なる。
松山の鯛めしでは、塩や醤油、昆布などと一緒に鯛とご飯を一緒に炊き込む。
一匹丸ごと炊き込む場合もあれば、切り身にして炊き込む場合もある。
愛媛が誇る鯛めしを食べ比べるのもお勧めだ。
3. 今治焼き鳥
串に刺さっている一般的な焼き鳥とは異なり、串に刺さっていない鶏の皮を鉄板で焼くのが今治焼き鳥の特徴。
鉄板で焼きつつ、さらに鉄製の重しを乗せて鶏の皮をプレスしていく。
鶏から出る脂で揚げ焼きにすると同時に、プレスによって蒸されることで火の通りが早くなり、素早い提供が実現されている。
余分な脂が出るためあっさりしており、凝縮された鶏の旨味を味わえる。
店によって異なるが、味付けは甘辛いタレが多く、お酒との相性も抜群だ。
瀬戸内海の春の絶景を満喫!愛媛の桜の名所
愛媛の桜の名所では、瀬戸海と桜、歴史的建造物と桜が調和する絶景を見られる。
伯方島、標高149mの開山山頂に位置する「開山公園」もそのひとつ。
山頂の展望台は、瀬戸内海に浮かぶ島々とそれらを繋ぐ橋が一望できる絶景スポット。見頃になると、桜越しにその絶景を眺められる。
愛媛県北東部に位置する離島「岩城島」の中央にそびえる、標高約370メートルの「積善山」は愛媛でも屈指の桜の名所。
山頂までの登山ルートに咲く3,000本もの桜、山頂の展望台から見渡す瀬戸内海と桜の絶景は必見だ。
松山市のシンボルである松山城が、約200本もの桜に彩られる様子も実に美しい。
例年の桜の開花日と満開日、見頃は以下の表を参考にしてほしい。
ただし、その年の気候や気温、スポット次第で開花日と満開日、見頃は前後するため注意しよう。
- 開花日
- 3月24日
- 満開日
- 4月3日
- 桜の見頃
- 4月3日〜4月9日
参考:気象庁 さくらの開花状況
参考:気象庁 さくらの満開状況
秋の渓谷美を堪能できる愛媛の紅葉の名所
自然豊かな愛媛には桜の名所だけでなく、紅葉の名所も多い。
11月中旬~11月下旬に愛媛を旅行するなら、紅葉の名所にも足を運ぼう。
愛媛屈指の紅葉の名所である「鈍川渓谷」では、遊歩道をゆっくり歩きながら、紅と黄金色に染まる渓谷を眺められる。
滑床渓谷も紅葉の名所として知られ、「日本の滝100選」に選ばれた「雪輪の滝」を囲む森林は必見。モミジがあたり一面を深紅に染め上げる様子は、格別の美しさを誇る。
「小田深山渓谷」も人気が高く、約1.5kmの遊歩道を歩けば、様々な色彩に染まる渓谷や山々を眺められる。
水面に映る紅葉も美しく、秋の渓谷美を堪能できるだろう。
愛媛旅行に関するよくある質問
Q
愛媛を旅行するのにお勧めの季節は?
瀬戸内海と桜が織りなす絶景を見られる春がお勧めです。
Q
親子旅行でお勧めの愛媛の観光スポットは?
松山市内や松山城などを一望できる「大観覧車くるりん」と、道後温泉の温泉街がお勧めです。
まとめ
この記事では愛媛旅行を検討している方向けに、エリアの魅力と見どころ、お勧めのご当地グルメ、モデルコースなどを紹介してきた。
少ない日数でも愛媛旅行を満喫したい方や初めて愛媛を訪れる方は、ぜひ参考にしてほしい。
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