【仙台交通ガイド】市内の交通手段と東北各県へのアクセスがわかる
戦国武将・伊達政宗(だてまさむね)が築き上げた宮城県の「仙台市」は、人口100万以上を有する東北の大都市だ。美しい自然が調和した街並みから「杜(もり)の都」と呼ばれており、グルメ・景勝地など多様な魅力が盛りだくさん。
仙台旅行を計画中の方は、効率的な市内の移動手段や費用を抑えて巡る方法を知りたいと思っているだろう。
この記事では、仙台観光における主要交通手段のメリットとデメリットやお得な乗車券を詳しくまとめた。観光プランに役立つ情報が手に入るので、最後まで読んで参考にしてほしい。
目次
仙台観光の主な交通手段
仙台市内には鉄道とバスが走っているため、車がなくても観光は楽しめる。
これから紹介する公共交通機関のカバーエリアと、それぞれのメリット・デメリットを把握して、最適な観光プランを立ててほしい。
仙台へのアクセス・他東北地方への移動に便利な「鉄道(JR)」
仙台市には下記の表の通り、主に4つのJR線が走っている。
東北新幹線は東京から仙台までのアクセス、もしくは仙台から他東北地方に行く際に使われ、市内の観光目的で乗る機会はない。
仙山線・仙石線もどちらかと言うと郊外がメインで、仙台市中心部は地下鉄の方が広範囲にカバーしている。
また、東北本線よりも後述する「るーぷる仙台(ループバス)」や「まちのり『チョコット』withラプラス」の方が、運行ルート・運賃を考えると観光向きだ。
そのため、JR線でなければ行けない場所・何かしらの理由がある場合以外は、他の交通手段を優先した方が良い。
路線名 | 区間(仙台市内の駅) |
---|---|
JR東北新幹線 | 全23駅:東京駅~新青森駅(仙台駅) |
JR東北本線 | 全150駅:東京駅~盛岡駅(南仙台駅~岩切駅の全7駅) |
JR仙山(せんざん)線 | 全18駅:仙台駅~羽前千歳駅(仙台駅~奥新川駅の全13駅) |
JR仙石(せんせき)線 | 全32駅:あおば通駅~石巻駅 |
仙台市内の主要交通手段となる「地下鉄」
仙台市内の地下鉄には、南北線と東西線の2路線がある。
それぞれ仙台駅を起点に分かれるが、いずれも仙台駅周辺の駅であれば徒歩でも行ける範囲に位置する。
日中は約10分間隔で走っているため利便性が高く、バスよりも待ち時間を気にせずに観光スポットまでアクセスしやすいのがメリット。
また仙台駅から離れた場所にある観光地は、地下鉄でないと行きづらいケースが考えられ、目的地次第では地下鉄が欠かせない交通手段となる。
旅行プランが明確な方は、後述の「るーぷる仙台」と組み合わせれば効率的な移動ができるだろう。
路線名(色) | 区間駅 | 有名な観光スポット(最寄り駅) |
---|---|---|
南北線(グリーン) | 泉中央駅~富沢駅(全17駅) | 地底の森ミュージアム(長町南駅)/定禅寺通り(勾当台公園駅)/スリーエム仙台市科学館(旭ヶ丘駅) |
東西線(ブルー) | 八木山動物公園駅~荒井駅(全13駅) | 陸奥国分寺薬師堂(薬師堂駅)/戦災復興記念館(大町西公園駅)/仙台アンパンマンこどもミュージアム&モール(宮城野通駅) |
選択肢として頭に入れておきたい「路線バス」
仙台市内の路線バスは仙台市営バスと宮城交通バスの2つで、いずれも仙台市全域を結んでいる。
「八木山動物公園」など観光スポット近くを走る路線もあるが、観光客よりも地元民や学生が買い物・通学で日常的に使う交通手段のひとつ。
停留所が多く、土地勘がないと路線図の理解も難しいため、旅行で積極的に利用するシチュエーションは考えにくい。
地下鉄・循環バスの方がわかりやすく、ほとんどの主要観光スポットにはどちらかで行けるので、選択肢として頭に入れておく程度で大丈夫だ。
一方で、雑誌およびインターネットに載っていない穴場探し、地元に根差したローカル旅、定番コースとは異なる仙台旅を求める人には、路線バスもお勧めできる。
主要スポットを巡る便利な循環バス「るーぷる仙台」
「るーぷる仙台」は、仙台市内の主要観光地を走る便利なシティループバス。
仙台駅を起点に1周約70分・20分間隔で運行されており、「仙台城址」・「瑞鳳殿(ずいほうでん)」など、各人気スポットを巡れる。
一日乗車券を利用すれば、乗り降りが自由で仙台の歴史的な場所、美しい景色を思う存分に楽しめる。
さらに、沿線の施設で様々な特典が受けられるのも魅力のひとつ。
特に初めて仙台観光する方にとっては、効率的かつ快適に移動と観光できるので上手く活用してほしい。
概要は以下の表にまとめた。
- 料金
-
【一回乗車】大人260円 / 小児130円
【一日乗車券】大人630円 / 小児320円
【一日乗車券+地下鉄1日乗車券】大人920円 / 小児460円 - 一日乗車券の購入場所
-
・仙台駅西口バスターミナル案内所
・地下鉄東西線・南北線各駅の窓口
・仙台空港(みちのく観光案内所)
・仙台MaaS(デジタルチケット)など - 主な特典※一回乗車は対象外
-
・DATE BIKE(ダテバイク)学生パス料金適用
・瑞鳳殿:大人観覧料110円割引
・大崎八幡宮:絵ハガキと参拝のしおりプレゼント
可愛らしいラッピングが特徴の循環バス「まちのり『チョコット』withラプラス」
「まちのり『チョコット』withラプラス」は、仙台市内を巡る循環バスサービス。
仙台駅前バス停を起点に1周約20分・基本20分間隔で運行され、「るーぷる仙台」よりも狭い範囲を走っている。
運賃は大人120円、子供は60円で、主にショッピングや観光で短距離を移動時に便利な交通手段だ。
「せんだいメディアテーク」・「青葉通」といった人気スポットにもアクセスできる。
公式ホームページを確認し、自身の観光範囲をカバーしていれば「まちのり『チョコット』withラプラス」、カバー外であれば「るーぷる仙台」という使い分けをすると良い。
なるべく徒歩での移動を避けたい方、市内の様子をバスから眺めたい方にもお勧め。
また、仙台市内で初めてのEVバス、ポケモンのラプラスをデザインしたラッピングという特徴も持つ。
2パターンのデザインがあり、アニメファンや小さい子供、乗り物好きは乗るだけでも楽しめるだろう。
のんびり旅に最適な「DATE BIKE(ダテバイク)」
「DATE BIKE(ダテバイク)」は、仙台市内で利用できる(電動アシスト付き)自転車のシェアリングサービス。
仙台駅周辺を中心に数多くの場所にサイクルポート(自転車置き場)が設置されており、そこで借り貸しを行う。
返却は別のポートでも可能なので使い勝手が良く、市民の利用者も多い。
自分のペースで街並みを満喫しながら移動できるのが、「DATE BIKE」の最大のメリットだ。
時刻表を気にせずにオリジナルな旅行を楽しめ、公共交通機関だと通り過ぎてしまう景色・お店などとも出会えるのも魅力的。
ただし観光地は点在しているため、複数の離れたスポットを巡りたい方や体力を消耗したくない方は電車・バスを使おう。
また、1日単位のチケットなので利用開始時間が遅い、突然の天候不良、単発的な使用の場合はコストパフォーマンスが悪くなる点がデメリット。
概要は以下の通り。
- 料金
- 1,056円 ※利用開始から23時59分まで
- 利用に必要なもの
- スマートフォン、クレジットカード、身分証明書
- 購入場所
- Webサイト
- 利用までの流れ
-
1.専用のWebページにアクセス
2.利用地域(仙台)を選択し、サービス規約に同意後、個人情報を記載 ※1回で最大5枚まで購入可
3.電話番号、メールアドレスで認証
4.クレジットカードにて支払い
5.利用時間内まで市内に設置されたサイクルポートに自転車を返却 - 利用方法
-
【四角型の操作端末】
1.Webサイトから自転番号を入力しパスワードを表示
2.STARTを押す
3.4ケタのパスワードを入力
4.鍵が施錠され利用可能
【丸型の操作端末】1.開始を押す
2. Webサイトから対象の自転車の「開錠する」を選択
3.鍵が施錠され利用可能
仙台市内を巡るなら利用すべきお得な乗車券
公共交通機関を使って仙台を巡る方にお勧めの乗車券を紹介する。
1日の移動距離が多い旅行プランを計画中の方、短い距離でも電車・バスを使って移動したい方は、お得になりやすいので活用してほしい。
該当施設で特典を受けられるのもうれしいポイントだ。
仙台まるごとパス
「仙台まるごとパス」では、仙台市および周辺地域のJR線・地下鉄・バスなどの公共交通機関が1日乗り放題になる。
1日に複数の交通手段を使い、広範囲に移動する方は購入を検討しよう。
購入場所もJR東日本の主要駅のグリーン窓口、指定の券売機、仙台空港駅など、様々な場所で買える。
観光施設や飲食店で使用できるクーポンブックが付いているため、仙台観光をよりお得に楽しめるだろう。
仙台空港から仙台市街地へのアクセス
「仙台空港」から観光・移動拠点となる「仙台駅」までの、移動方法と所要時間は以下の通り。
国際線ターミナルと仙台空港駅は直結しており、1Fロビーからエスカレーターで2Fに行けばすぐに連絡橋が見えてくる。
日中は20分に1本、朝夜は30分に1本と、運行本数はそこまで多くないので、乗り遅れには注意が必要だ。
荷物が多い場合や時間を有効に使いたい場合は定額タクシーの利用も検討しよう。
- 経路
-
1.「仙台空港」から「仙台空港駅」まで徒歩(2~3分)で移動
2.「仙台空港駅」から仙台空港アクセス線・仙台行に乗車し、「仙台駅」で下車 - 所要時間
- 約30分
仙台から東北地方各地へのアクセス
最後に仙台から東北地方各地への移動方法と所要時間を紹介していく。
いずれも仙台とはひと味違った魅力を持っており、人気観光スポットや温泉地など見どころ満載だ。
思ったよりも近く、数時間でアクセスできるため、仙台だけでなく他の東北地方の地域・都市も合わせて巡ってみよう。
仙台から青森へのアクセス
東北地方(本州)の最北端に位置する青森県は、仙台から北上した場所にある。
仙台とは東北5県の中で一番遠く、約350km離れている。
また青森駅には新幹線が停車しないので、新青森駅経由でのアクセスが必要だ。
- 経路
-
1.「仙台空港」から「仙台空港駅」まで徒歩(2~3分)で移動
2.「仙台空港駅」から仙台空港アクセス線・仙台行に乗車し、「仙台駅」で下車
3.「仙台駅」からJR新幹線はやぶさに乗車し、「新青森駅」で下車
4.「新青森駅」からJR特急スーパーつがる1号or JR奥羽線青森行に乗車し、「青森駅」で下車 - 所要時間
- 約2時間50分
青森の定番観光スポットを紹介するこちらの記事も一緒にチェックしよう。
仙台から秋田へのアクセス
宮城県北部と隣接する秋田県は、仙台から見て北西部にある。
仙台駅から新幹線で直接アクセスできるが、東北5県の中で所要時間が最もかかる。
本数も1時間に1本程度なので、観光に行く場合は事前に時刻表を確認してほしい。
- 経路
-
1.「仙台空港」から「仙台空港駅」まで徒歩(2~3分)で移動
2.「仙台空港駅」から仙台空港アクセス線・仙台行に乗車し、「仙台駅」で下車
3.「仙台駅」からJR新幹線こまち・秋田行に乗車し、「秋田駅」で下車 - 所要時間
- 約3時間10分
観光名所・名物グルメを中心に秋田の魅力を伝える、こちらの記事も合わせて参考にしよう。
仙台から岩手へのアクセス
北海道に次いで2番目に面積の大きい岩手県は、宮城県の北部と隣接し仙台から見て北東部にある。
ちなみに岩手駅は存在せず、盛岡駅が岩手最大の駅だ。
大雑把な表現だが、青森県・岩手県・仙台は縦並びの位置関係になっており、JR新幹線はやぶさで繋がっている。
そのため、スケジュールに余裕があれば3地域をまとめて巡るのもお勧め。
- 経路
-
1.「仙台空港」から「仙台空港駅」まで徒歩(2~3分)で移動
2.「仙台空港駅」から仙台空港アクセス線・仙台行に乗車し、「仙台駅」で下車
3.「仙台駅」からJR新幹線はやぶさに乗車し、「盛岡駅」で下車 - 所要時間
- 約1時間10分
岩手の中でも外せない観光スポット・人気飲食店を選定した、こちらの記事も要チェックだ。
仙台から山形へのアクセス
宮城県の西部に隣接する山形県は、仙台から見ても西部にある。
在来線だけでアクセスでき、他の地域と比べると運賃が抑えられるため、仙台旅行+1地域の観光にも向いている。
1日2便に限るが高速バスを使えば、直通かつ最短で着くので時間帯が合うならばお勧めだ。
電車でのアクセス
- 経路
-
1.「仙台空港」から「仙台空港駅」まで徒歩(2~3分)で移動
2.「仙台空港駅」から仙台空港アクセス線・仙台行に乗車し、「仙台駅」で下車
3.「仙台駅」からJR仙山線・山形行に乗車し、「山形駅」で下車 - 所要時間
- 約2時間
高速バスでのアクセス
- 経路
-
1.「仙台空港」から「仙台空港バスターミナル2番乗り場」まで徒歩で移動
2.2番乗り場から山交バス・山形駅前行に乗車し、「山形駅前」で降車
3.「山形駅前」から徒歩数分で「山形駅」に到着
※10時と17時30分の1日2便
※仙台駅前バス停から向かうことも可(本数が増える) - 所要時間
- 約1時間20分
山形の魅力を取りまとめたこちらの記事もぜひ読んでほしい。
仙台から福島へのアクセス
東北地方の最南端に位置する福島県は、仙台から見ると南部にある。
運賃を抑えたい場合は在来線(新幹線の半額以下)、早く着きたい場合は新幹線を使ってアクセスするのがお勧め。
そのまま南下すれば東京都や神奈川県などに行けるため、東北~関東旅行を楽しみ羽田空港から帰国というプランも考えられる。
在来線を使ったアクセス
- 経路
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1.「仙台空港」から「仙台空港駅」まで徒歩(2~3分)で移動
2.「仙台空港駅」から仙台空港アクセス線・仙台行に乗車し、「名取駅」で下車
3.「名取駅」からJR東北本線・福島行に乗車し、「福島駅」で下車 - 所要時間
- 約1時間20分
新幹線を使ったアクセス
- 経路
-
1.「仙台空港」から「仙台空港駅」まで徒歩(2~3分)で移動
2.「仙台空港駅」から仙台空港アクセス線・仙台行に乗車し、「仙台駅」で下車
3.「仙台駅」からJR新幹線やまびこ・東京行に乗車し、「福島駅」で下車 - 所要時間
- 約1時間
こちらの記事では、福島の街並みや代表的な名湯などの魅力をわかりやすく紹介しているので一緒に参考にしよう。
仙台の交通手段に関するよくある質問
Q
仙台でもSuicaは使える?
使えます。主に東北地方で流通している「icsca(イクスカ)」のほか、全10種類のICカードが利用可能です。
Q
仙台観光でレンタカーを利用した方が良いのは、どんなケース?
日本三景のひとつ「松島」を観光する場合、自然を満喫したい場合などはレンタカーを借りるのがお勧めです。
まとめ
仙台市を観光する際の主な交通手段を中心に、仙台空港から東北地方各地へのアクセスなどを紹介してきた。
仙台は東京と比べてバスや電車の運行本数が少ないので、事前に計画を立てて時刻表をチェックしながら楽しむのがお勧め。
目的地に合わせて、循環バス・地下鉄・レンタサイクルの併用もしくは使い分けをすれば効率よく巡れるはずだ。
厳選観光スポット・定番イベントなど仙台の魅力をまとめた、こちらの記事も一緒に読んで参考にしよう。