札幌散策のスタート地点!大通公園の魅力と見どころを知る観光ガイド
都市と自然が調和した美しい街並みが魅力の「札幌」。
その中心に広がる大通公園は、四季折々の花々が咲き誇る、札幌を象徴するようなスポットだ。
「さっぽろテレビ塔」や冬のイルミネーションイベントで知られているが、大通公園自体にどのような魅力や見どころがあるかは、実はあまり知られていない。
この記事では、大通公園の魅力と見どころを中心に、参加すべきイベントや名物グルメなど、観光する前に知っておくべき情報を網羅的にお伝えする。
大通公園を中心に札幌観光を満喫してみよう。
大通公園ってどんなところ?
札幌の中心部に位置する大通公園は、東西約1.5km、面積約7.8haの広大な都市公園。
1871年に防火帯(火事の広がりを防ぐために設けられた空間や区域)として整備されていたが、都市の発展に伴い、札幌を象徴する公園へと生まれ変わり、市民や観光客の憩いの場となった。
公園内は、それぞれ異なる魅力を持つ5つのエリアに分かれており、四季折々の花壇や噴水が配置された美しい景観や札幌の歴史を楽しめるのが魅力。
東端にある「さっぽろテレビ塔」の展望台からは、札幌市内を一望できる。
注目すべきは、年間を通して開催される多彩なイベント。
特に冬のイベントは有名で、「さっぽろ雪まつり」ではスケールの大きな雪像や氷の彫刻展示などが行われ、「さっぽろホワイトイルミネーション」では公園だけでなく街全体が幻想的な光に包まれる。
イベントに合わせて、観光プランを立てるのもお勧めだ。
大通公園は札幌市営地下鉄「大通駅」に直結しており、アクセスも抜群。
周辺には札幌の人気観光スポットや飲食店が多く、札幌観光のスタート地点にもピッタリだ。
大通公園へのアクセス
札幌観光の移動拠点となるJR「札幌駅」から大通公園まで、電車を利用する場合のアクセスを下記の表にまとめた。
徒歩の場合は約12分でアクセスできる。
地下鉄「さっぽろ駅」から「大通駅」を繋ぐ地下通路「チ・カ・ホ」を利用すれば、雨や雪の日でも快適に移動できる。冬は暖房、夏は冷房が効いているため、寒い日や暑い日の移動にもお勧めだ。
- 経路
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1. JR「札幌駅」から歩いて地下鉄「さっぽろ駅」へ
2. 札幌市営南北線または東豊線に乗車し、「大通駅」で下車
3. 駅から徒歩2分で到着 - 所要時間
- 約5分
知っておくと大通公園をより楽しめる!5つのエリアの魅力と見どころ
大通公園は、魅力も見どころも異なる5つのエリアで構成されている。
せっかく大通公園を訪れるなら、これから紹介する内容を参考に、端から端までゆっくり散策してみよう。
さっぽろテレビ塔が位置する「国際交流ゾーン(西1・2丁目)」
「国際交流ゾーン」は、札幌市のランドマークである「さっぽろテレビ塔」がそびえ立つエリアだ。
札幌の姉妹都市であるアメリカ・ポートランド市から贈られた「ベンソンの水飲み」をはじめ、札幌市にゆかりのある芸術家や企業から贈られたモニュメントが点在。
また、全長33m、高さ1.8mの「壁泉」があり、せせらぎの水音が静かな空間を作り出している。
大通公園を象徴する景色のある「水と光のゾーン(西3 〜 5丁目)」
「水と光のゾーン」は、まさに都会のオアシスといえる美しい景観が広がるエリア。
彫像が点在し、西3丁目の噴水では「生命体の躍動」をテーマにした水の演出が、15分間に1サイクルで行われる。
さっぽろテレビ塔を背景に行われる水の演出は、大通公園を代表する風景といえる。
水と光のゾーンには、西4丁目にもうひとつ噴水がある。
花びらを模したデザインの噴水は、中央のアルミ製水盤に四方から水が吹き付けられる形状が特徴。
どちらの噴水も4月下旬から10月下旬まで稼働し、夜間にはライトアップされ、水と光が織りなす幻想的な雰囲気を楽しめる。
また、観光案内所と喫煙所も同ゾーンに位置する。
イベント・遊具で遊べる空間が広がる「遊び・イベントゾーン(西6 〜 9丁目)」
「遊び・イベントゾーン」は、四季折々のイベントが開催される賑やかなエリア。
彫刻家イサム・ノグチが手掛けた、ねじれた形のすべり台「ブラック・スライドマントラ」や、クジラが泳いでいるように見えるプレイスロープなどユニークな遊具も点在する。
「インフォメーションセンター&オフィシャルショップ」では、英語、中国語、韓国語に対応できるスタッフが常駐しているため、訪日観光客は迷ったらぜひ利用してほしい。
北海道開拓の歴史を感じられる「歴史・文化ゾーン(西10・11丁目)」
大通公園の西10・11丁目に広がる「歴史・文化ゾーン」には、北海道開拓に尽力した「黒田清隆(くろだきよたか)」や「ホーレス・ケプロン」の銅像があり、北海道開拓の歴史を感じられるエリアだ。
訪れる人々の目を引く、白と青に塗られた高さ23mの柱「マイバウム」は、春の喜びを象徴し、民族ダンスや楽器演奏などの飾りが施されている。これは姉妹都市であるドイツ・ミュンヘンから贈られたものだ。
また、西11丁目には噴水があり、歴史を感じながらゆったりと過ごせる憩いの場となっている。
バラが織りなす美しい景色が広がる「サンクガーデンゾーン(西12丁目)」
「サンクガーデンゾーン」は、バラ園がメインのエリア。
約60種類・1,100株以上の色とりどりのバラが、6月中旬から10月にかけて咲き誇り、訪れる人々の目を楽しませる。
園内の中央には全長82mの水路があり、両端には湧水口、中央には噴水が設置されている。
6月1日から9月中旬の10時から19時まで通水され、涼やかな雰囲気を演出する。
さらに、彫刻家・佐藤忠良による「若い女の像」も配置され、美しい庭園を引き立てる。
エリア内の「札幌市資料館」は、1926年に札幌控訴院として建てられた歴史的建造物で、重厚な石造りの外観が特徴。
四季折々の花々と歴史的建造物が調和した、美しい景色が広がっている。
大通公園の名物グルメ「焼きとうもろこし」
例年4月下旬から10月中旬は、北海道産のとうもろこしを香ばしく焼き上げた「焼きとうもろこし」を販売する、「とうきびワゴン」が営業。
「とうきび」とは、北海道特有の「とうもろこし」の呼び方だ。
「とうもろこし」そのものの甘さはもちろん、特製のタレも絶品。
大通公園の西3丁目から西4丁目の、いくつかの場所に出店している。
営業期間中に大通公園へ訪れるなら、ぜひ名物グルメの焼きとうもろこしを味わってほしい。
観光時期をずらしてでも参加したい!大通公園の人気イベント6選
大通公園では、季節ごとに大きなイベントが開催される。
特に冬に行われる、雪と氷の芸術、雪と光の幻想的な空間を楽しめるイベントは有名。
その他の季節にも、それぞれ魅力的なイベントが開催されているので、ぜひ参加してほしい。
1. 【春】さっぽろライラックまつり
昭和34年(1959)に文化人の呼びかけによってはじまった「さっぽろライラックまつり」。
約400本のライラックが咲き誇る大通会場をメインに、ライラックスプリングステージで開催されるコンサートやライラックの植樹、野だて、スタンプラリーなどが開催されている。
期間中は大通会場にカフェテラスが設置されたり、昔の遊びを体験できるコーナーや体験教室などが開催され、見るだけでなく、頭や身体を動かして楽しむことができるのも魅力だ。また、大通会場、川下会場ともに、ライラックの苗木が数量限定で無料配布される。
2. 【夏】さっぽろ夏まつり
例年7月中旬から8月中旬にかけて開催される、夏の一大イベント「さっぽろ夏祭り」。
大通公園を中心に「狸小路商店街」や「すすきの」で、様々な札幌の伝統文化やグルメを楽しめるイベントが開催される。
大通公園には日本最大規模のビアガーデンが設置され、札幌グルメとビールを存分に楽しめる。
地域の人々に親しまれている盆踊りに参加できる「北海盆踊り」も、大通公園の西2丁目で開催。
その他にも、「狸まつり」や「すすきの祭り」など、札幌の文化や伝統を感じられるイベントも盛りだくさん。
3. 【夏】YOSAKOIソーラン祭り
毎年6月に開催される「YOSAKOIソーラン祭り」。
高知県のよさこい祭りをルーツに、よさこい祭りで使われる鳴り物の「鳴子」と北海道の民謡「ソーラン節」をミックスして誕生した札幌の人気イベントだ。
YOSAKOIソーラン祭りのルールは、鳴子を持つこと、曲にソーラン節のフレーズを入れることの2つだけで、それ以外は自由。北海道の初夏の風物詩として、200万人もの観客が集まる、パワフルなイベントは、一見の価値あり。
4. 【秋】さっぽろオータムフェスト
例年9月に開催される「さっぽろオータムフェスト」は、「北海道・札幌の食」をメインテーマにしたイベント。
大通公園が7つのエリアに分かれ、約300もの店舗が並ぶ。
北海道・札幌ならではのグルメや特産品を、地酒やワイン、ウィスキーなどのお酒とともに味わえる。
ご当地ラーメンやジンギスカンなどの北海道グルメ・札幌グルメが一堂に会するので、グルメを目的に北海道へ訪れる方には、ぜひ足を運んでほしい。
また、札幌だけでなく北海道各地のお土産も集まるため、お土産選びも楽しめる。
5. 【冬】さっぽろホワイトイルミネーション
冬の札幌の夜を彩るイベントとして昭和56年(1981)にスタートした「さっぽろホワイトイルミネーション」。
5つの会場で趣向を凝らしたイルミネーションが実施され、街全体が幻想的な雰囲気に包まれる。
メイン会場となる大通会場では翼をあしらったテレビ塔前の「ウィッシュ・バーズ」、ライラックやスズラン、ハマナスなど北海道ゆかりの花をかたどった「ウィンター・ブロッサムズ」、雪の結晶をモチーフにした回廊を歩ける「スノー・ファンタジア」などエリアごとに特徴の異なるシンボルオブジェを設置。
6. 【冬】さっぽろ雪まつり
世界三大雪まつりのひとつで、1950年、地元の高校生が大通公園に6つの雪像を設置したことにはじまる雪と氷の祭典「さっぽろ雪まつり」。
現在は2月上旬に大通会場、すすきの会場、つどーむ会場の3会場で開催。国内外から約200万人もの人が訪れる札幌の冬の一大イベントとして人気を集めている。
大通会場では、ビルのように巨大な雪像も登場し、そのスケールの大きさは圧倒的!また、市民がつくるユニークな雪像「市民雪像」もあり、こちらは投票も可能だ。
札幌の歴史とグルメを満喫!大通公園周辺の人気観光スポット5選
大通公園周辺の札幌の歴史やグルメを楽しめる、人気の観光スポットを紹介しよう。
公園を散策しつつ、紹介するスポットを巡れば、札幌の魅力を満喫できるだろう。
1. さっぽろテレビ塔
大通公園の出発点である西1丁目に1956年に建てられたさっぽろテレビ塔は、その完成以降、札幌の発展を見届けてきた札幌のランドマーク的存在として地元の方や観光客にも親しまれている。
地上約90mの展望台は、札幌市内はもちろん、天気が良い日は石狩平野や日本海が見渡せる絶景スポットとなっている。
また、冬の時期は眼下でさっぽろホワイトイルミネーションや雪まつりが開催される特等席になるほか、閉館後の30分間は貸切も可能で、カップルや夫婦に特に人気がある(要予約)。
2. 札幌市時計台
かつて北海道開拓の指導者の育成のために建設された札幌農学校の演武場。
その完成式の際に訪れた黒田清隆開拓長官の指揮によって、今では札幌のランドマークとして愛される「札幌市時計台」が完成した。
平成7年(1995)から10年(1998)まで大規模な保存修理工事を行い、資料館として整備された。1階には札幌の文化財や時計台にまつわる資料の展示を見られる。
3. さっぽろ地下街
北海道、観光の中心地・札幌で、多くの人が立ち寄る地下にあるモール街。
地下鉄「大通」駅、「すすきの」駅や、有名な観光スポット・さっぽろテレビ塔に通じるルートへ簡単にアクセスできる。地上に立ち並ぶファッションビル、デパートなどの商業施設にもつながっており、とても便利。
旅行中に足りなくなったアイテムをドラッグストア、ファッション、雑貨店などで購入など、さまざまなシーンに対応できるショップがずらり。
4. 狸小路商店街
145年以上の歴史を持つ北海道最古の商店街の一つ、「狸小路商店街」。
札幌の中心部に位置し、東西約900メートルに渡っておよそ200店が軒を連ねる。アーケードで繋がれているため、悪天候の日でもショッビングや散策、食事が楽しめるのもうれしい。
古くからこの地に根差した商家や工芸店、土産物屋などが並び、レトロな雰囲気が満ちている。
5. 札幌二条市場
明治初期に石狩浜の漁師が鮮魚の販売をはじめたことがきっかけで開設されたと言われている「札幌二条市場」。
現在では、鮮魚店はもちろん青果店や居酒屋などが集結、札幌市民の台所として観光客のみならず地元の方にも愛されており、札幌市の街中に位置する立地も相まって連日賑わっている。
市場内には、飲食店も多数用意。寿司や海鮮丼、炙り焼きなど魚介を味わうことができる店舗が多いのが特徴だ。
地元でも愛される名店!大通公園周辺の人気飲食店3選
大通公園を散策してお腹が空いたら、周辺の飲食店に立ち寄ってみよう。
札幌発祥のグルメを楽しめ、地元でも長年愛される飲食店を厳選してご紹介。
ここでしか味わえない、札幌ならではのグルメをぜひ堪能してほしい。
1. おにぎりのありんこ オーロラタウン店
創業当時のお店の大きさが3坪で、その狭いスペースを動き回る姿が店名に由来する「おにぎりのありんこ」。
ありんこのおにぎりは、おにぎり型と呼ばれる生成に用いる道具を使わずに、ひとつひとつ手で握るのが特徴。注文を受けてからその場で握るおにぎりは、出来たてならではの温かさやふっくらとした食感を感じさせてくれる。
2. スープカレーGARAKU
連日行列ができ、順番待ちの際は整理券が配られるほどの人気を誇るスープカレーの名店「スープカレーGARAKU」。
地元の方の認知度が非常に高いスープカレー専門店だ。
なんといっても特徴的なのはスープ。オーナーが昔働いていたうどん専門店で習得した和風だしとスパイスを組み合わせるという独創性が作り出す旨味が人気店のきっかけになったという。
3. ビヤホールライオン 狸小路店
大正3年(1914)に開店した「ビヤホールライオン 狸小路店」。
日本人がはじめてビールをつくった地として知られる札幌で生まれたビールを楽しむために誕生したのが、現在のビヤホールライオンだ。
店舗のシンボルであるライオン男爵が店舗ベランダでお出迎え、店内は大正ロマンあふれる、いわゆるハイカラな造りの空間が広がる。
数多くの人びとが乾杯を重ねたであろう時代の年輪が感じられる店内でいただく、伝統の一度注ぎで注がれる生ビールは絶品だ。
大通公園に関するよくある質問
Q
大通公園の最寄り駅はどこ?
最寄り駅は地下鉄東西線・南北線・東豊線「大通駅」です。
Q
大通公園は札幌駅から徒歩でもアクセスできる?
札幌駅からは徒歩約12分でアクセスできます。
まとめ
札幌を代表する観光スポット・大通公園の魅力と見どころを中心に、名物グルメや人気イベント、アクセスや周辺の飲食店・人気観光スポットなどを紹介してきた。
美しい自然景観や様々なイベントを通し、札幌の自然や文化に触れてみよう。
大通公園を中心に札幌を散策すれば、札幌の魅力を満喫できるはずだ。
札幌観光の際は、人気観光スポットを紹介している、こちらの記事も参考にしてほしい。