
雄大な自然が織りなす絶景が楽しめる九州の紅葉の名所35選
    九州は日本の南西部に位置し、福岡・佐賀・長崎・大分・熊本・宮崎・鹿児島の7つの県からなる地域だ。
秋には、雄大な渓谷が紅く染まり、歴史ある神社仏閣を鮮やかな紅葉が彩るなど、各地で多彩な景観を楽しめる。
この記事では、九州各地の紅葉スポットとその見頃を紹介する。
内容を参考に旅行を計画して、紅葉に包まれた九州を満喫してほしい。
  
    紅葉に染まる多彩な秋の景観に出会える九州
    九州は、活火山がもたらす豊かな温泉や変化に富んだ海岸線、深く険しい山々など、多様な自然に恵まれた場所だ。
そのため、紅葉スポットもバリエーションに富んでいる。
断崖絶壁の渓谷を錦に染める紅葉、温泉地の湯けむりと調和する幻想的な紅葉、歴史ある城や寺社仏閣を彩る荘厳な紅葉など、訪れる場所ごとに異なる趣の秋景色に出会えるのが九州の紅葉の魅力だ。

  
    【例年】九州の紅葉の見頃
    九州の紅葉の見頃は、以下の表を参考にしてほしい。
例年の見頃であるため、ある程度前後すると考えておこう。
また、紅葉の名所によっても見頃は変わるため、詳しくはこれから紹介する各スポットの例年の見頃を参考にしてほしい。
- 福岡
- 11月中旬 〜 12月上旬
- 佐賀
- 11月上旬 〜 12月上旬
- 長崎
- 11月中旬 〜 12月上旬
- 大分
- 10月下旬 〜 12月上旬
- 熊本
- 11月上旬 〜 11月中旬
- 宮崎
- 11月上旬 〜 11月下旬
- 鹿児島
- 11月上旬 〜 12月上旬
  
    2025年の九州の紅葉の見頃
    2025年10月2日に気象情報会社の「日本気象株式会社」が発表した、九州地方の紅葉の見頃を以下の表にまとめた。例年よりも概ね平年並みだが、福岡と長崎、熊本は平年より遅いと予想されている。
ただ、スポットや今後の気温によっては、紅葉の見頃は前後するため、注意してほしい。
- 福岡
- 12月9日頃
- 佐賀
- 12月6日頃
- 長崎
- 12月15日頃
- 大分
- 12月1日頃
- 熊本
- 12月9日頃
- 宮崎
- 12月7日頃
- 鹿児島
- 12月13日頃
  
    風情あふれる秋景色を巡る!福岡の紅葉名所5選
    福岡県は九州の玄関口であり、近代的な都市は多くの観光客で賑わいを見せる。
しかし、都市部から少し足をのばせば豊かな自然が広がっている。
歴史ある城下町や寺社、霊峰として崇められてきた山など、多彩な紅葉の名所が点在するのが福岡の魅力だ。
ここでは、特にお勧めの紅葉スポットを5つ紹介する。
  
    1. 秋月城跡
    福岡県ほぼ中央部に位置する秋月は、城下町としての歴史を長く刻んできたが、明治期に入って武家が没落し、主要幹線からも離れていたことから開発が遅れ、その結果、城下町の姿を今に伝えることとなった。
全国に126地区ある国の重要伝統的建造物群保存地区。その中で城下町は4地区あるが、秋月は町全体が指定されており、その風情ある城下町の雰囲気から“筑前の小京都”と呼ばれている。
紅葉の名所としても知られており、福岡県指定史跡に指定される秋月城跡や、福岡県指定重要文化財の本門(黒門)と長屋門を彩る紅葉は格別に美しく、多くの観光客を魅了する。
秋月城跡へと続く「杉の馬場通り」には露店が並び、茶菓子を楽しみつつ紅葉が彩る城下町の美しい風景を堪能できる。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月中旬 〜 11月下旬

  
    2. 呑山観音寺
    鉾立山の麓にある呑山観音寺は、高野山真言宗の別格本山(総本山に準じる寺院)。
霊験あらたかなお寺であり、年間の参拝者は100万人を超える。
それだけでなく、多くの僧侶が集まる研鑽の場ともなっている。
3,000体を越える水子地蔵や弘法大師が祭られる大師堂、稲荷大明神が祭られる稲荷社など、見どころも多い。
境内や参道にはモミジとツツジがそれぞれ約1,000本以上もあり、秋になると荘厳な雰囲気を紅葉が彩る。
紅葉が美しいスポットはいくつもあるが、その中でも「百観音堂」の裏に植えられた約600本のドウダンツツジが辺り一面を真っ赤に染める様子は必見だ。
- 紅葉の見頃(例年)
- 10月下旬 〜 11月中旬

  
    3. 北九州市立白野江植物公園
    植物公園として80年近い歴史を有し、1年を通して植物が織りなす自然風景を満喫できる小高い丘に広がる市民憩いの場。
秋には約800本のイロハモミジなどが色づき、風情ある景観を作り出す。
イロハモミジは園全体にあるため、散策しながら黄色や紅に染まる美しい木々を眺められる。
お勧めの紅葉スポットは「木漏れ日の路」。イロハモミジの大木が立ち並ぶ、静かなスポットで、秋の情緒をたっぷりと感じられるだろう。
紅葉の見頃に合わせて紅葉まつりが開催され、ボタニカルマーケットやコンサート、お茶席なども紅葉と共に楽しめる。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月下旬 〜 12月上旬

  
    4. 勝山公園
    福岡の北東部に位置する北九州市のシンボルともいえる公園。
園内には「小倉城」をはじめ、「小倉城庭園」「中央図書館」などの観光・文化施設が点在する。
「大芝生広場」や「紫川親水広場」といった遊べる施設も充実し、多くの市民に親しまれている。
紅葉の名所でもある「勝山公園」は、ハゼノキ・イチョウが多く植栽されており、秋に訪れるべき観光スポットのひとつだ。
特に小倉城天守閣周辺を彩るケヤキは風格があり見事。
紅葉の期間はライトアップや「小倉城 竹あかり」も開催し、天守閣広場に30,000個の竹灯籠が灯る幻想的な光景が楽しめる。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月中旬 〜 12月上旬

  
    5. 英彦山
    福岡と大分の県境に位置し、三峰からなる標高約1,200mの「英彦山」。
山そのものが御神体とされ、古くから神聖な山として信仰を集めている。
紅葉の名所としても知られており、見頃になると多くの登山者が訪れ、山頂から眼下に広がる秋の絶景を楽しむ。
中心部には国指定重要文化財の社殿「英彦山神宮奉幣殿(ひこさんじんぐうほうへいでん)」が鎮座。
英彦山神宮の境内には「英彦山スロープカー」が、参道横を走行している。
美しい紅葉を眺めながら7分間の空中散歩を楽しめる。
山頂付近から紅葉が進み、麓に行くほど見ごろが遅くなるため、長い期間紅葉を楽しめるのも嬉しいポイント。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月上旬 〜 11月中旬

  
    珍しい海の紅葉も見られる?佐賀の紅葉名所5選
    佐賀県は歴史的な名所が多く、落ち着いた雰囲気のエリアだ。
秋には静寂な庭園や歴史ある寺社が、色鮮やかな紅葉に包まれる。
また、有明海に面した干潟では、草が赤く染まる「海の紅葉」という珍しい光景も見られるだろう。
ここからは、佐賀ならではの風情あふれる紅葉スポットを5つ紹介しよう。
  
    1. 九年庵
    佐賀県神埼市に位置する、国の名勝にも指定されている「九年庵」。
佐賀の実業家が9年の歳月をかけて築いたことから、その名が付けられた。
例年、新緑の時期と秋の紅葉の時期の2回、9日間だけ一般公開される。
(2025年は期間が拡大し、11月15日から11月30日の16日間公開)
萱葺屋根の趣ある邸宅と、約130本のもみじが色づく庭園が調和した景色は、侘び寂びを感じさせる。
限られた期間しか見られない特別な紅葉だからこそ、思い出に強く残るだろう。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月中旬 〜 11月下旬

  
    2. 大興善寺
    佐賀県三養基郡基山町にある「大興善寺」は、1,300年以上の歴史を持つ天台宗の古刹だ。
春にはツツジの名所として知られるが、秋の紅葉も素晴らしい。
本堂の裏手にある広大な庭園「大興善寺契園」には約500本のモミジがあり、境内を深紅に染め上げる。
石段の参道を覆うように色づく紅葉のトンネルは特に美しい。
夜にはライトアップも行われ、昼間とは異なる幻想的な雰囲気の中で紅葉狩りを楽しめる。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月中旬 〜 12月上旬

  
    3. 干潟よか公園
    佐賀市の東与賀海岸「干潟よか公園」では、秋になると「海の紅葉」と呼ばれる珍しい光景が広がる。
主役は「シチメンソウ(七面草)」という有明海の干潟に自生する塩生植物だ。
秋が深まると、緑色だった葉が地面を覆うように赤紫色に染まり、まるで赤い絨毯を敷き詰めたかのような景色を作り出す。
ラムサール条約湿地に登録されている干潟の風景と、渡り鳥の姿も一緒に楽しめるユニークな紅葉スポットだ。
- 紅葉の見頃(例年)
- 10月下旬 〜 11月上旬

  
    4. 西渓公園
    佐賀県多久市にある「西渓公園」は、地元出身の実業家が造園し、市に寄贈した市民の憩いの場だ。
春は桜、秋は紅葉、冬は梅と、四季折々の景観を楽しめる。
園内には約180本のモミジが植えられており、特に「もみじ谷」と呼ばれるエリアでは、燃えるような赤色の紅葉が広がる。
公園内には、国の登録有形文化財に指定された寒鶯亭(かんおうてい)、「多久聖廟」に関する資料を収めた郷土資料館なども揃う。
公園は多久聖廟に隣接しており、歴史的建造物と紅葉が織りなす情景も見どころだ。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月中旬 〜 11月下旬

  
    5. 御船山楽園
    武雄のシンボルでもある御船山の断崖を借景に、鍋島藩の第28代武雄領主・鍋島茂義が3年の歳月をかけて弘化2(1845)年に築いた庭園。大きな池のある池泉回遊式庭園で、東京ドーム約10個分、約15万坪の広大な敷地を誇る。
秋には、イロハカエデやオオモミジなどが色づき、広大な敷地が錦に染まる。
特に夜間のライトアップ「たまゆらの夕べ」は日本有数の規模で、池の水面に紅葉が映り込む「逆さ紅葉」は、訪れる人々を魅了する圧巻の光景だ。
昼も夜も楽しめる、壮大な紅葉の名所である。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月中旬 〜 12月上旬

  
    アートな逆さ紅葉も必見!長崎の紅葉名所5選
    坂の町や異国情緒あふれる街並みが魅力の長崎。
秋には、その独特の地形や歴史的背景が紅葉と合わさり、特徴的な風景を生み出す。
山々を染めるダイナミックな紅葉から、静かなお寺で楽しむ趣深い紅葉まで、さまざまな表情を見せてくれる。
ここからは、長崎でおすすめの紅葉スポットを5つ紹介しよう。
  
    1. 雲仙ロープウェイ
    雲仙岳仁田峠駅と妙見岳駅を結ぶ全長約500mのロープウェイ。標高差約174mを約3分で結び、3分間隔で運行している。ゴンドラは三線交走式。
山頂の妙見岳駅には屋上展望台があり、普賢岳や平成新山、島原半島や天草諸島を望むことができる。さらに駅から徒歩5〜6分登ると標高1,300mの妙見岳展望所も。
秋になると、ナナカマドやカエデなどが赤や黄色に色づき、ゴンドラからは眼下に広がる紅葉の絨毯を一望できる。
国の天然記念物「普賢岳紅葉樹林」の壮大な景色を、空から楽しむ贅沢な紅葉狩りは格別だ。
- 紅葉の見頃(例年)
- 10月下旬 〜 11月上旬

  
    2. 轟峡
    長崎県諫早市に位置する「轟峡」は、名水百選にも選ばれる清流が流れる渓谷だ。
大小30以上の滝が連なり、その清らかな水の流れと豊かな自然が魅力となっている。
秋になると、渓谷沿いのモミジやカエデが一斉に色づき、滝の白、岩の黒、そして紅葉の赤や黄色のコントラストが美しい風景を描き出す。
遊歩道が整備されているため、川のせせらぎを聞きながら、安全に散策を楽しめる。
マイナスイオンを浴びながらの紅葉狩りは、心身ともにリフレッシュできるだろう。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月中旬

  
    3. 三十路苑
    長崎県雲仙市にある「三十路苑」は、園主が30年以上の歳月をかけて作り上げた、約8,000坪の広大なもみじ園だ。
園内には約1,000本のもみじが植えられており、秋になると山全体が燃えるような赤色に染まる。
丁寧に手入れされた庭園は、どこを切り取っても絵になる美しさだ。
夜間にはライトアップが実施され、昼間とは違う幽玄な雰囲気が漂う。
個人の情熱が生み出した、愛情あふれる紅葉の名所である。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月下旬 〜 12月上旬

  
    4. 舟志のもみじ街道
    長崎県の離島・対馬にある「舟志のもみじ街道」は、舟志川沿いに続く約7kmの道だ。
その名の通り、秋には群生しているモミジやカエデが色づき、美しい紅葉のトンネルを作り出す。
ドライブしながら車窓から眺めるのはもちろん、近くの舟志森林公園に車を停めて、ゆっくりと散策するのもおすすめだ。
穏やかな川面に映る紅葉もまた風情があり、訪れる人々を魅了する。
対馬の豊かな自然の中で、静かな紅葉狩りが楽しめるスポットだ。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月中旬 〜 11月下旬

  
    5. 寿福寺
    長崎県佐世保市の静かな山里に佇む「寿福寺」は、秋になると多くの拝観者で賑わう。
そのお目当ては期間限定で一般公開される「逆さ紅葉」だ。
本堂の畳を一部取り払い、そこにアクリル板をはめ込むことで、庭園の鮮やかな逆さ紅葉が水鏡のように映り込む幻想的な光景を生み出している。
小さな寺院ならではの工夫と、静寂な空間が織りなすアートのような紅葉が楽しめる。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月中旬

  
    ダイナミックの景観やユニークな景色を見られる大分の紅葉名所5選
    「おんせん県」として名高い大分は、温泉だけでなく雄大な自然が育む紅葉も見事だ。
日本一高い吊り橋から見下ろす絶景や、奇岩が連なる渓谷美と紅葉の共演など、ダイナミックな風景が広がっている。
さらには歴史を感じる史跡や国宝の寺院を彩る紅葉も趣深い。
ここでは、大分で必見の紅葉スポットを5つ紹介する。
  
    1. 大分市高崎山自然動物園
    「うみたまご」に隣接した標高628mの高崎山の麓にある動物園。
昭和28(1953)年に開園して70年以上が経った今もなお、自然な状態の野生のサルを観察できる自然動物園として、観光客から人気を集めている。
秋になると、園内の木々が赤や黄色に色づき、愛らしいニホンザルたちが紅葉の中で遊ぶ、珍しい光景を見ることができる。
サル寄せ場から見上げる山の斜面が鮮やかに染まる様子は特に美しい。
動物と紅葉という、ユニークな組み合わせを楽しめるスポットとして、家族連れにも人気だ。
- 紅葉の見頃(例年)
- 12月上旬

  
    2. 藤河内渓谷
    大分県佐伯市に位置する「藤河内渓谷」は、「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」内にある自然豊かなスポットだ。
巨大な花崗岩の一枚岩の上を清流が滑るように流れる景観で知られている。
秋になると、渓谷の両岸にあるカエデやモミジが色づき、岩の白と水の青、紅葉の赤が見事なコントラストを描く。
特に、甌穴(おうけつ)と呼ばれるポットホールが点在するエリアの紅葉は美しい。
手つかずの自然が残る場所で、静かに秋の深まりを感じたい人におすすめだ。
- 紅葉の見頃(例年)
- 10月下旬 〜 11月上旬

  
    3. 国指定史跡 岡城跡
    1185年に源義経を迎えるために築城されたと伝わる岡城の跡地。阿蘇山の火砕流でできた海抜325mの岩山の上に建ち、断崖絶壁の立地と圧巻の石垣群から難攻不落の堅城と謳われた。
廃城後に城内の建物は取り壊されたが石垣群はいまも残され、往時の大城郭の面影を感じられる。
もみじを中心に約2,500本の木々が秋を彩り、壮大な石垣を背景に燃えるように色づく。
作曲家「瀧廉太郎(たきれんたろう)」の名曲「荒城の月」のモデルになった場所としても知られ、歴史のロマンを感じながら紅葉狩りができる。
夜に開催される竹灯籠が灯るイベントも必見だ。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月中旬 〜 11月下旬

  
    4. 九酔渓
    大分県玖珠郡九重町にある「九酔渓」は、「玖珠川」の上流に位置する約2kmにわたる断崖絶壁の渓谷だ。
原生林に覆われた谷は、秋になるとモミジやカエデ、カツラなどが一斉に色づき、錦の絵巻物のような絶景が広がる。
渓谷沿いの道はカーブが多く「十三曲」とも呼ばれ、ドライブしながら次々と現れる紅葉の風景を楽しめる。
また、渓谷には日本一の高さを誇る歩行者専用の吊り橋「九重“夢”大吊橋」があり、橋の上から見下ろす360度の紅葉パノラマは圧巻だ。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月上旬 〜 11月中旬

  
    5. 富貴寺
    大分県豊後高田市にある「富貴寺」は、平安時代に創建された天台宗の寺院だ。
境内にある「富貴寺大堂」は、九州に現存する最古の木造建築物として国宝に指定されている。
秋になると、大堂の周りにある数本の大イチョウの木が黄金色に輝く。
散った葉が地面を埋め尽くす様は、まるで黄色い絨毯のようだ。
国宝の建築物とイチョウのコントラストは、日本の秋の風情を深く感じさせてくれる。
夜間にライトアップが行われると、幻想的な雰囲気に包まれる。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月下旬 〜 12月上旬

  
    清流と紅葉の美しいコントラストに出会える熊本の紅葉名所5選
    雄大な阿蘇山をはじめ、豊かな自然に恵まれた熊本県。
「火の国」とも呼ばれるこの地は、秋になると燃えるような紅葉で彩られる。
ダイナミックな渓谷美と紅葉が織りなす絶景や、樹齢1,000年を超える大イチョウの圧倒的な存在感など、心揺さぶる風景に出会える。
ここでは、熊本を代表する紅葉の名所を5つ紹介する。
  
    1. 蘇陽峡
    熊本県上益城郡山都町にある「蘇陽峡」は、五ヶ瀬川の上流に位置するU字型の渓谷だ。
高さ200mにもなる断崖絶壁が約10kmにわたって続き、その雄大な景観から「九州のグランドキャニオン」とも呼ばれている。
秋には、モミジやケヤキなどが色づき、深い緑の渓谷を赤や黄色に染め上げる。
長崎鼻展望台からの眺めは特に素晴らしく、渓谷全体を見渡す大パノラマの紅葉が楽しめる。
壮大なスケールの自然が創り出す、圧巻の紅葉スポットだ。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月上旬 〜 11月中旬

  
    2. 緑仙峡
    熊本県上益城郡山都町緑川に位置する「緑仙峡」は、「緑川」の水源一帯にある自然豊かな渓谷だ。
手つかずの原生林に覆われており、秋になるとブナやカエデなどが色づき、渓谷全体を鮮やかに彩る。
寒暖差が大きいため、紅葉の色がひときわ濃く、美しいことで知られている。
渓谷にかかる吊り橋からの眺めは絶景で、360度の紅葉パノラマを楽しめる。
近くにはキャンプ場もあり、アウトドアを楽しみながら紅葉狩りができるスポットだ。
- 紅葉の見頃(例年)
- 10月下旬 〜 11月上旬

  
    3. 菊池渓谷
    熊本県菊池市にある「菊池渓谷」は、「菊池川」の源流に位置する美しい渓谷だ。
「日本森林浴の森百選」や「日本の滝百選」にも選ばれており、原生林と清流が織りなす景観が魅力となっている。
秋になると、イロハモミジやケヤキなどが色づき、エメラルドグリーンの川の流れとのコントラストが見事だ。
特に、「紅葉ヶ瀬」や「広河原」といったスポットからの眺めは素晴らしい。
遊歩道を散策しながら、川のせせらぎや鳥の声と共に、五感で秋の自然を満喫できる。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月上旬 〜 11月中旬

  
    4. 五家荘
    熊本県八代市にある「五家荘(ごかのしょう)」は、九州山地の奥深く、5つの集落からなる秘境の地だ。
平家の落人伝説が残るこの地は、手つかずの自然が豊かに残っている。
秋になると、広大な山々が赤や黄色、オレンジに染まり、見事な景観を作り出す。
「せんだん轟の滝」や「梅の木轟公園吊橋」など、渓谷にかかる吊り橋や滝と紅葉が織りなす風景は特に美しい。
ドライブをしながら、次々と現れる絶景を楽しめる。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月上旬 〜 11月中旬

  
    5. 下城の大イチョウ
    熊本県阿蘇郡小国町にある「下城の大イチョウ」は、国の天然記念物に指定されている巨木だ。
樹齢は1,000年を超えるとされ、高さ約25m、幹回りは約10mにも及ぶ。
秋になると、数えきれないほどの葉が一斉に黄金色に輝き、見る者を圧倒するほどの存在感を放つ。
夜にはライトアップが行われ、闇夜に浮かび上がる黄金の巨木は幻想的で神々しい。
落葉が始まると、地面は黄色い絨毯で覆われ、また違った美しさを見せる。
- 紅葉の見頃(例年)
- 10月下旬 〜 11月上旬

  
    ユニークな秋の景観に出会える宮崎の紅葉名所5選
    「神話のふるさと」として知られる宮崎県には、神秘的な雰囲気が漂う紅葉の名所が多い。
深い山々に抱かれた渓谷や、火山の噴火によって生まれた高原など、壮大な自然景観が秋色に染まる様子は圧巻だ。
ボートに乗って見上げる紅葉や、個人が大切に育てた一本のモミジなど、ユニークな楽しみ方ができるのも宮崎の魅力である。
ここでは、宮崎の神秘的な紅葉スポットを5つ紹介する。
  
    1. 見立渓谷
    宮崎県西臼杵郡日之影町にある「見立渓谷」は、日之影川の上流に位置する自然豊かな渓谷だ。
巨大な花崗岩が作り出す白い岩肌と、エメラルドグリーンに輝く清流が特徴となっている。
秋になると、手つかずの広葉樹林が赤や黄色に色づき、渓谷を鮮やかに彩る。
遊歩道を散策しながら、美しい水と岩、そして紅葉が織りなす絶景をゆっくりと楽しめる。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月上旬 〜 12月上旬

  
    2. えびの高原
    宮崎県えびの市、霧島連山の標高1,200mに位置する「えびの高原」。
秋になると、高原に自生するススキが一斉に穂をつけ、風に揺れる景色が美しい。
ここの紅葉の主役は、火山性ガスなどの影響で独特の赤褐色に色づく木々だ。
高原にある「六観音御池」や「不動池」など、火口湖の水面に映る紅葉は、神秘的な雰囲気を醸し出す。
トレッキングコースも整備されており、ハイキングをしながら、高原ならではの開放的な紅葉風景を楽しめる。
- 紅葉の見頃(例年)
- 10月下旬 〜 11月上旬

  
    3. 高千穂峡
    阿蘇山の噴火で流れ出た溶岩を「五ヶ瀬川」が数万年かけて浸食して出来たV字峡谷。
高いところで100m、平均80mにも達する断崖が7㎞に渡って続く景観は見事。
国の名勝、天然記念物に指定されている。
秋になると、断崖を彩るようにモミジやカエデが色づき、渓谷美を一層引き立てる。
貸しボートに乗って、峡谷のシンボル「真名井の滝」を水面から見上げれば、滝のしぶきと紅葉のコントラストが美しい。
夜には遊歩道がライトアップされ、昼間とは異なる幻想的な雰囲気に包まれる。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月中旬 〜 11月下旬

  
    4. 北郷町のイロハモミジ
    宮崎県日南市北郷町にある「北郷町のイロハモミジ」は、槻之河内渓谷の奥深くで静かに佇む巨木。
推定樹齢約200年、高さ約20mにもなるイロハモミジで、見頃を迎えると、巨大な樹冠全体が燃えるような真紅に染まる。
太陽の光が差し込むと葉は一層鮮やかに輝き、見る時間によって趣を変える風情も魅力だ。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月上旬 〜 11月中旬

  
    5. 五ヶ瀬渓谷
    宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町に位置する「五ヶ瀬渓谷」は、五ヶ瀬川の上流にある美しい渓谷だ。
九州中央山地国定公園内にあり、手つかずの自然が多く残されている。
秋になると、渓谷沿いのモミジが一斉に色づき、見事な景観を作り出す。
特に、渓谷にかかる吊り橋からの眺めは絶景で、赤や黄色に染まる山々と清流のコントラストが楽しめる。
五ヶ瀬町は九州でも有数の寒冷地であるため、紅葉の色づきが鮮やかだと言われている。
- 住所
- 〒882-1201 宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町鞍岡
- 紅葉の見頃(例年)
- 10月下旬 〜 11月上旬

  
    湖畔や霊峰で秋を満喫!鹿児島の紅葉の名所5選
    桜島や霧島連山など、壮大な活火山を擁する鹿児島。
その豊かな自然は、秋になると多彩な表情の紅葉を見せてくれる。
温泉地の湯けむりと共に楽しむ紅葉や、歴史ある神社の朱塗りの社殿に映える紅葉など、鹿児島ならではの風景が広がる。樹齢1,000年を超える大イチョウも必見。
ここでは、鹿児島の秋を満喫できる紅葉スポットを5つ紹介しよう。
  
    1. 宮浦宮
    鹿児島県霧島市福山町にある「宮浦宮」は、古い歴史を持つ神社だ。
境内には、樹齢1,000年を超えると言われる2本の大イチョウが寄り添うように立っている。
その姿から「夫婦イチョウ」と呼ばれ、親しまれている。
秋になると、巨大なイチョウの木が黄金色に輝き、見る者を圧倒する。
落葉が始まると、境内は黄色い絨毯で埋め尽くされ、幻想的な風景に。
神聖な雰囲気の中で、悠久の時を感じさせる大イチョウの紅葉を楽しめる。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月下旬 〜 12月上旬

  
    2. 冠岳
    鹿児島県いちき串木野市に位置する「冠岳」は、古くから霊峰として信仰を集めてきた山だ。
山中には、中国風の庭園である「冠嶽園」や「冠岳神社」などがあり、歴史と自然が調和した独特の雰囲気を持っている。
秋になると、冠嶽園をはじめ、山内のモミジやイチョウが鮮やかに色づく。
特に、中国の様式で作られた楼閣や庭園と、日本の紅葉が融合した景色は、他ではなかなか見られない。
散策路も整備されており、歴史を感じながらゆっくりと紅葉狩りが楽しめる。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月下旬 〜 12月上旬

  
    3. 藺牟田池県立自然公園
    鹿児島県薩摩川内市にある「藺牟田池県立自然公園」は、美しい火口湖である藺牟田池を中心とした公園だ。
貴重な水生植物群落があることから、ラムサール条約にも登録されている。
秋になると、池の周りに植えられたモミジやハラクウショウなどが色づき、穏やかな湖面にその美しい姿を映し出す。
周囲約3.3kmの湖畔はサイクリングロードとしても整備されており、自転車で走りながら紅葉を楽しむのもおすすめだ。
水鳥たちが遊ぶのどかな風景と共に、秋の一日をのんびりと過ごせる。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月中旬 〜 11月下旬

  
    4. 霧島温泉郷
    霧島連山の南西部、標高600m〜850mの地点に点在する温泉の総称で、温泉ごとに異なる泉質や効能を楽しめる霧島温泉郷。
霧島温泉郷の中心地的な存在となるのは大型のホテルや旅館が建ち並ぶ丸尾温泉。街のあちこちから湯けむりがもくもくと立ち上る様子はいかにも温泉地といった雰囲気。
秋には、温泉地の周辺の山々が赤や黄色に色づき、湯けむりと紅葉が織りなす幻想的な風景が広がる。
特に、「丸尾滝」周辺の紅葉は美しく、展望台からの眺めは格別だ。
日本の道百選に選ばれた国道223号線は紅葉のトンネルとなり、絶好のドライブを楽しめるだろう。
温泉で旅の疲れを癒しながら、紅葉狩りを楽しめる贅沢なスポットだ。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月中旬 〜 11月下旬

  
    5. 霧島神宮
    南九州を代表する神社。創建6世紀と古い歴史を誇る。
樹齢およそ800年、南九州の杉の祖先と言われるご神木や、日本の国歌“君が代”にも出てくる「さざれ石」(小石が長い年月をかけて1つの大きな岩の塊に変化したもの)は必見。
秋になると、参道や境内のモミジやカエデが一斉に色づき、国宝に指定された朱塗りの豪華な社殿に美しい彩りを添える。
特に、大鳥居から二の鳥居へ続く参道の紅葉は見事だ。
神聖で厳かな雰囲気の中、歴史的建造物と紅葉の調和がとれた、日本の秋ならではの風景を楽しめるだろう。
- 紅葉の見頃(例年)
- 11月中旬 〜 12月上旬

  
    九州の紅葉の名所に関するよくある質問
      Q
      
        九州の紅葉の見頃は?
      
        
      
    
    例年10月下旬から色づき始め、11月中旬から12月上旬にピークを迎えます。
      Q
      
        九州で紅葉の名所が多いエリアは?
      
        
      
    
    各県に魅力的な名所が点在していますが、特に渓谷や山間部に絶景スポットが多いです。
  
    まとめ
    九州の紅葉は、雄大な自然が作り出すダイナミックな景観や、歴史ある建造物と調和した趣深い風景など、場所によってさまざまな魅力を持っている。
この記事を参考に、美しい紅葉に染まる九州へ旅行に出かけてみてはどうだろうか。
また、九州だけでなく、日本各地の紅葉スポットについて詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてほしい。
