【福岡1泊2日モデルコース】世界遺産・宗像の祈りと水郷のまち柳川をめぐる文化さんぽ

【福岡1泊2日モデルコース】世界遺産・宗像の祈りと水郷のまち柳川をめぐる文化さんぽ

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筆者 :  mizutama_renga
監修 :  GOOD LUCK TRIP

九州最大の都市・福岡市を有する福岡県は、古くから大陸文化の玄関口として栄え、港町や城下町、自然豊かな海岸線が広がるエリア。太宰府天満宮門司港レトロ糸島の海辺、小倉城など、歴史と風景を感じる名所も多く、季節ごとにさまざまな表情を見せてくれます。さらに、街歩きやご当地グルメを楽しめるのも福岡の魅力。
今回ご紹介するモデルコースでは、博多を拠点に世界遺産・宗像の聖地を巡り、街に戻って名物グルメを味わう1日目、翌日は水郷のまち柳川で川下りや城下町文化にふれる2日間。祈りの歴史と水辺の情緒に触れる、福岡ならではの1泊2日の旅を楽しみます。

Day1|世界遺産を有する宗像エリアへ

旅の起点はJR博多駅。鹿児島本線で東郷駅へ向かい、駅前から西鉄バスに乗り換えて宗像大社前バス停で下車。バス停から徒歩すぐで最初の目的地・宗像大社に到着します。

1. 世界遺産・宗像の祈りの地「宗像大社」を参拝

天照大神の御子神・宗像三女神を祀る、日本最古の神社のひとつ。ユネスコ世界文化遺産にも登録され、「沖津宮」「中津宮」「辺津宮」の3宮から成る、由緒ある神社です。

今回の旅で訪れるのは、多くの参拝者が足を運ぶ「辺津宮」。境内には国の重要文化財に指定される「本殿」や、最大のパワースポットと言われる「高宮祭場」をはじめ伊勢神宮から下賜された古い社殿を持つ「第二宮・第三宮」などがあり、歩くほどに心が浄化されていくかのよう。
木々のゆらぎや砂利道の音に包まれながら、この地に息づく“祈り”を肌で感じられる時間を過ごします。

「辺津宮」の境内には、ほかに「海の正倉院」とも称される「神宝館」もある
「辺津宮」の境内には、ほかに「海の正倉院」とも称される「神宝館」もある

2.「海の道むなかた館」で宗像の歴史と信仰にふれる

宗像大社「辺津宮」を参拝したあとは、向かいにある「海の道むなかた館」へ向かいます。

世界遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」をテーマにした学習施設で、館内には、市内の遺跡から出土した資料や大型スクリーンが並び、宗像の歴史や信仰について学ぶことができます。
なかでも注目は、3Dシアター。聖域として一般人の立ち入りが禁止されている沖ノ島の様子を、音と映像でリアルに体感することができます。
宗像大社参拝とあわせて訪れると、世界遺産・宗像の祈りの背景がすっと入ってくるようです。

宗像の歴史を視覚的に学べる7✕18mの大型スクリーンで迫力ある映像を鑑賞
宗像の歴史を視覚的に学べる7✕18mの大型スクリーンで迫力ある映像を鑑賞

3. 博多名物“明太子”が贅沢に味わえる人気店「元祖博多めんたい重 西中洲」でランチタイム

世界遺産・宗像についてしっかり学んだあとは、タクシーで10分ほどの東郷駅へ戻ります。東郷駅からはJR鹿児島本線で博多駅へ。さらに地下鉄に乗り換えて天神駅で下車、徒歩5分ほどでお目当てのお店、「元祖博多めんたい重 西中洲」に到着です。

西中洲にある明太子料理の専門店で、福岡名物を“食事として味わう”スタイルを確立した元祖といわれる一軒です。
今回のランチは、看板メニューの「めんたい重」。昆布巻き明太子が丸ごと一本のった贅沢なひと皿です。海苔をしいたごはんに特製ダレがよく合い、辛さは4段階から選べます。見た目もフォトジェニックな名物グルメをゆっくりと楽しみます。

有田焼の特製重箱に入った看板メニューの「めんたい重」
有田焼の特製重箱に入った看板メニューの「めんたい重」

4.「クロスライフ博多天神」にチェックイン&心地よい滞在空間でひと休み

ランチのあとは10分ほど歩いて、今回の宿「クロスライフ博多天神」へチェックイン。

博多と天神のどちらにも歩いて行ける便利な立地にあり、「My 3rd Place」をコンセプトに掲げた、自分らしく過ごせる心地よい滞在空間が魅力です。
館内の随所には福岡をテーマにしたアートが飾られ、街の活気を感じるスタイリッシュな雰囲気。客室は一人旅からグループまで多彩なタイプがそろい、旅のスタイルにあわせて選べるのもうれしいポイント。
ひとまずチェックインを済ませてひと休み。旅の続きを楽しむ準備を整えます。

コンフォートツインには、1,000×1,950mmサイズのベッドを設置
コンフォートツインには、1,000×1,950mmサイズのベッドを設置
小さな森を思わせる、エントランスから続く中庭
小さな森を思わせる、エントランスから続く中庭

5. 博多の総鎮守「櫛田神社」に参拝

ホテルでひと休みしたら、晩ご飯まで少し散策。ホテルから15分ほど歩いて、博多の総鎮守「櫛田神社」へ。

奈良時代の創建と伝わり、博多の人びとから“お櫛田さん”と呼ばれてきた神社です。毎年7月に行われる「博多祇園山笠」が奉納される神社で、境内では6月を除く一年中、迫力ある飾り山笠を見学できます。
参拝のあとには、境内裏にある「櫛田茶屋」へ。博多名物「櫛田のやきもち」を焼きたてで味わいながら、散策のひとときを楽しみます。

天正15年(1587)、豊臣秀吉が博多復興の際に寄進した社殿
天正15年(1587)、豊臣秀吉が博多復興の際に寄進した社殿

6.「中洲屋台街」で博多の屋台グルメを満喫!

櫛田神社参拝のあとは、博多の街を散策♪ 運河沿いにショップやレストランが並ぶ人気スポット「キャナルシティ博多」に立ち寄るなど、街歩きを楽しみつつ、博多グルメをディープに体験できる「中洲屋台街」へ向かいます。

中洲屋台街は、那珂川沿いに屋台がずらりと並ぶ博多ならではのグルメスポット。豚骨ラーメンや焼きラーメン、おでんや焼き鳥など多彩な名物が味わえ、屋台ならではのにぎやかな雰囲気が楽しめます。
今回は、気になる屋台にふらりと立ち寄り、名物料理を少しずつ味わいながら「はしご酒」スタイルで散策。店主との会話や地元の人とのやり取りなど、屋台文化にふれられるひとときです。

那珂川沿いに屋台がずらりと並ぶ
那珂川沿いに屋台がずらりと並ぶ
一か所に留まらず、適当なところで次の屋台に移る「はしご酒」スタイルが楽しい
一か所に留まらず、適当なところで次の屋台に移る「はしご酒」スタイルが楽しい

Day2|水郷のまち・柳川で川舟さんぽ

2日目は水郷のまち・柳川へ。川下りや城下町の文化にふれながら、ゆったりとした時間を楽しみます。

朝は、クロスライフ博多天神で種類豊富な朝食ブッフェを楽しんでから出発!
ホテルから歩いて10分ほどの西鉄福岡(天神)駅から、西鉄大牟田線の特急で柳川へ。約50分の列車旅を経て西鉄柳川駅に到着します。

7. 風情あふれるまち並みを「柳川川下り」で水上散策

「水郷の町」として知られる柳川では、江戸時代に整えられた掘割が今も町を巡り、どんこ舟で市内をめぐる「川下り」を体験! 西鉄柳川駅から徒歩圏に乗船場があり、舟に揺られながら城下町の中心へ向かう水上散策を楽しみます。

船頭さんの案内や歌に耳を傾けつつ、しだれ柳や季節の花が揺れる水辺をのんびり進むひとときは、柳川らしい風情に満ちています。赤レンガの「並倉」や、白黒の格子模様が美しい「なまこ壁」など、川沿いには歴史を感じる景観も続き、穏やかな舟旅が楽しめます。

風情ある景観を眺めながら、どんこ舟で水郷の町のお掘をめぐる
風情ある景観を眺めながら、どんこ舟で水郷の町のお掘をめぐる

8.「元祖本吉屋 沖端店」で柳川名物・うなぎのせいろ蒸しに舌鼓

柳川川下りを楽しんだあとは、沖の端下船場から徒歩2分ほどの場所にある、江戸時代創業の老舗「元祖本吉屋 沖端店」へ。「うなぎのせいろ蒸し」発祥の店とされる老舗で、水郷・柳川で受け継がれてきた名物料理を味わいます。

タレをまぶしたご飯を蒸し、その上に香ばしく焼き上げたうなぎのかば焼きと錦糸卵を重ね、さらにもう一度蒸し上げています。ふっくらと極上の柔らかさに仕上がったうなぎと、甘辛いタレとの相性も抜群です。
店内からは川下りの様子も望め、柳川らしい景色とともにゆったりとした昼食の時間を楽しみます。

「うなぎのせいろ蒸し定食」は酢物、きも吸、香物がセット
「うなぎのせいろ蒸し定食」は酢物、きも吸、香物がセット

9.「柳川藩主立花邸 御花」で名園・松濤園を散策

元祖本吉屋 沖端店で柳川名物を堪能したあとは、徒歩すぐの場所にある「柳川藩主立花邸 御花」へ。立花家ゆかりの御屋敷で、敷地全体が国の名勝に指定されている柳川を代表する歴史を感じる場所です。

敷地内には、明治時代に迎賓館として建てられた「西洋館」や、立花家に伝わる史料を展示する「立花家史料館」など見どころも多数。
なかでもクロマツに囲まれた池庭「松濤園」は必見。「大広間」から一望できる優美な景色を眺めながら、城下町・柳川の歴史にふれる穏やかなひとときを過ごします。

クロマツに囲まれた名園「松濤園」の優美な景観
クロマツに囲まれた名園「松濤園」の優美な景観
100畳の広さを誇る「大広間」
100畳の広さを誇る「大広間」

10. 無料で利用できる「からたち文人の足湯」に浸かってほっこり♪

松濤園を楽しんだあとは、城下町らしい風情が残るエリアをぶらり散策。歩き疲れたところで立ち寄りたいのが、無料で利用できる「からたち文人の足湯」です。

柳川は北原白秋をはじめ、多くの文人を輩出したまち。足湯の周囲には彼らの写真やエピソード、作品紹介のパネルが並び、文学の世界に触れながらひと息つけるスポットです。
天然の柳川温泉を使用した湯は、神経痛や冷え性、疲労回復に効果があるとされ、旅の途中のリラックスタイムにぴったり。靴を脱いで足を浸し、散策の合間にほっとひと息。あたたかな湯に包まれながら、リラックスタイムを過ごします。

柳川市出身の文人の足跡に触れつつ足湯も楽しめるユニークなスポット
柳川市出身の文人の足跡に触れつつ足湯も楽しめるユニークなスポット

11.「北原白秋生家・記念館」で近代日本を代表する詩人の足跡をたどる

柳川散策の締めくくりは、「北原白秋生家・記念館」へ。童謡「雨ふり」「この道」で知られる詩人・北原白秋の生家と、業績を紹介する記念館が一体となった施設です。

生家は海産物問屋として代々続いた建物でしたが、1901年に焼失し、現在の建物は1969年に復元されたもの。館内には白秋の著書や遺品、当時の暮らしを伝える品々が並び、詩人の足跡に触れられます。
手書き原稿や愛用品のほか、白秋が愛飲した銘酒「潮」や小唄集の復刻版などを扱うコーナーもあり、作品が生まれた時代に思いを馳せながら静かに過ごします。

詩人・北原白秋の生家を記念館として一般公開
詩人・北原白秋の生家を記念館として一般公開
当時の街の人が使用していた生活道具を見ることができる
当時の街の人が使用していた生活道具を見ることができる

福岡1泊2日モデルコースのスケジュール

Day1

9:40
博多駅を出発!
JR鹿児島本線・快速で約35分→東郷駅→東郷駅前バス停→西鉄バスで約10分→宗像大社前バス停下車→徒歩1分
10:40
宗像大社
徒歩約4分
11:50
海の道むなかた館
タクシーで約10分→東郷駅→JR鹿児島本線・快速で約30分→博多駅→博多駅→地下鉄で約5分→天神駅下車→徒歩5分
13:50
元祖博多めんたい重 西中洲
徒歩約10分
15:00
クロスライフ博多天神
徒歩約15分
16:30
櫛田神社
キャナルシティ博多に立ち寄るなど、博多の街を散策
18:30
中洲屋台街

Day2

9:30
西鉄福岡(天神)駅→西鉄大牟田線特急で約50分→西鉄柳川駅→徒歩10分
11:00
柳川川下り
柳川下り沖の端下船場から徒歩2分
12:10
元祖本吉屋 沖端店
徒歩すぐ
13:00
柳川藩主立花邸 御花
柳川城下町を散策
14:10
からたち文人の足湯
柳川城下町を散策
14:40
北原白秋家・記念館

まとめ

福岡の“祈り”と“水辺の情緒”にふれる1泊2日の旅はいかがでしたか?
今回は、世界遺産・宗像の地で歴史をたどったり、博多の名物グルメを味わう1日目、水郷の町・柳川で川下りや城下町の文化に触れる2日目のモデルコースをご紹介しました。
福岡県には、このほかにも太宰府天満宮や門司港レトロ、糸島の海辺、小倉城など、多彩な魅力が点在しています。
旅の計画を立てる際は、初めて訪れる方必見!福岡旅行完全ガイドもあわせてチェックしてみてくださいね。

mizutama_renga

筆者

旅行雑誌 編集

mizutama_renga

関西在住。京阪神を中心にお寺や美術館をめぐるのが好きです。

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