御食つ国・三重で味わう海と大地の恵み。食文化を体験する9選

御食つ国・三重で味わう海と大地の恵み。食文化を体験する9選

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筆者 :  GOOD LUCK TRIP

伊勢神宮やおはらい町・おかげ横丁を中心に、三重には「御食つ国」として食を支えてきた歴史が息づく。
海女小屋 相差かまど鳥羽マルシェでは海の恵みを、伊賀の里モクモク手づくりファームいなべ市農業公園では大地の恵みを体感できるのが特徴だ。
祈りとともに育まれてきた食文化をたどると、食材の背景や土地の営みが見えてくる。観光として巡りながら、ひと口ごとにその土地らしさを感じてみたい。

神宮の食文化に触れ、御食つ国の背景を知る

三重の食文化の出発点ともいえるのが、神宮を中心とした信仰の世界。神に食を捧げる営みが今も続き、その思想が地域の食文化にも影響を与えている。
参拝と町歩きを重ねることで、食と祈りのつながりを実感できる。背景を知ってから味わうことで、この土地の食がより深く楽しめる。

1. 伊勢神宮(伊勢市)

伊勢神宮は、神に食を捧げる営みが今も受け継がれる場所。神宮の外宮では、天照大御神をはじめとする神々に日々食事を供える儀式が続いている。
社殿はヒノキでできた日本古来の建築様式「神明造」で、2つの正宮と14の別宮では20年に一度、社殿を建て替え御神体を遷す式年遷宮が行われる。参道を歩きながら、その背景にある営みに目を向けてみたい。

石段の先に鳥居と社殿が見える神域。木々に囲まれた参道を進む
石段の先に鳥居と社殿が見える神域。木々に囲まれた参道を進む

2. おはらい町・おかげ横丁(伊勢市)

内宮前に広がるおはらい町は、参拝と食が自然に結びつく門前町。
おはらい町の中ほどには、おかげ横丁と呼ばれるエリアがあり、江戸から明治期にかけての伊勢路の建築物が移築・再現されている。
赤福餅や伊勢うどんといった名物が並び、歩くだけでも食文化の厚みが伝わる。参拝後のひと休みに立ち寄る流れがちょうどいい。

瓦屋根の町並みに店舗が並ぶ通り。人の行き交いと食べ歩きのにぎわい
瓦屋根の町並みに店舗が並ぶ通り。人の行き交いと食べ歩きのにぎわい

3. すし久(伊勢市)

おかげ横丁に店を構えるすし久は、伊勢参りの流れの中で立ち寄りたい郷土料理の一軒。江戸時代の天保年間に創業し、料理旅館として発展してきた歴史を持つ。
名物は、伊勢志摩の郷土料理として愛される「てこね寿し」。地元産コシヒカリの酢飯に、甘辛い醤油に漬けた肉厚のカツオがたっぷりとのり、素朴ながらも力強い味わいが印象に残る。参拝後の一食として、伊勢らしい味をしっかりと楽しめる一軒だ。

江戸時代からお伊勢参りの参拝客をもてなしてきた老舗のたたずまい
江戸時代からお伊勢参りの参拝客をもてなしてきた老舗のたたずまい

海辺の集落で海女文化と海の恵みを味わう

志摩や鳥羽の沿岸には、海とともに暮らす文化が色濃く残る。素潜りで海に向かう海女の営みと、そこから得られる食材。
その関係を体験として感じられるのもこのエリアならではの魅力だ。海の近くならではの時間が流れている。

4. 海女小屋 相差かまど(鳥羽市)

現役の海女さんと同じ空間で食事ができるのが、海女小屋 相差かまどならではの魅力。炭火で焼かれる貝や干物を味わいながら、漁の話や日常のエピソードに触れられる。
海女の歴史は古く、3000年〜5000年前から続いているといわれ、日本の古書にも記述があるほど。その歴史を継承している海女さんとの会話も楽しみのひとつ。

白装束の海女さんが炭火で調理し、焼きたてを囲みながら話を聞く時間が楽しい
白装束の海女さんが炭火で調理し、焼きたてを囲みながら話を聞く時間が楽しい

5. 海女小屋体験施設さとうみ庵(志摩市)

海女小屋体験施設さとうみ庵は、海女文化を体験としてわかりやすく学べる施設。
海女小屋体験では、獲れたての大アサリやサザエなどを炭火で焼いてもらって食べながら、海女さんにさまざまな話を聞くことができる。漁の方法や風習の話を聞きながら、食材への理解が深まっていく。食と文化をまとめて体感できる施設だ。

海女さんの話とともに、火が通りだすと漂ってくる海鮮物の香りもごちそう
海女さんの話とともに、火が通りだすと漂ってくる海鮮物の香りもごちそう

6. 鳥羽マルシェ(鳥羽市)

駅近で気軽に立ち寄れる、食の集積スポット。直売コーナーでは、その日水揚げされた魚介類、地元で生産された旬の野菜や果物をはじめ、加工品、食と健康をテーマにした惣菜などがずらりと並ぶ。
購入した魚はその場で下処理や調理(有料)をしてもらうこともでき、新鮮な刺身として味わえるのが魅力。選んだ食材をすぐに味わえる流れがこの場所ならではの楽しみだ。

旬の鮮魚が氷の上にずらり。その場で調理してもらえるのは旅行者にうれしいサービス
旬の鮮魚が氷の上にずらり。その場で調理してもらえるのは旅行者にうれしいサービス

7. 鳥羽1番街(鳥羽市)

鳥羽駅前にある鳥羽1番街は、伊勢志摩の味をまとめて楽しめる拠点。館内には相差港で水揚げされた海産物の専門店や真珠店、銘菓や名産を扱う土産店などが並ぶ。
さらに伊勢えび、あわびのほか、地元ならではの食材にこだわった多彩な飲食店もバラエティ豊かに揃う。移動の合間に立ち寄るのにも使い勝手の良いスポットだ。

新鮮な海産物をはじめ、三重ならではのお土産探しにも最適なスポット
新鮮な海産物をはじめ、三重ならではのお土産探しにも最適なスポット

大地の恵みを味わい食の魅力を体験する

三重の食文化は、海だけでなく農やものづくりにも支えられている。
素材を育てる現場や、加工のプロセスに触れることで、食の見え方が少し変わる。体験を通して、食との距離がぐっと近づく。

8. D&DEPARTMENT MIE by VISON(多気町)

地域のロングライフデザインを掘り起こし、その土地ならではの魅力を伝えるコミュニティショップかつネットワークプロジェクト「D&DEPARTMENT」。
三重の素材や文化を背景にした商品が並び、食と暮らしのつながりが見えてくる。買い物を通して地域の価値に触れられるのがポイントだ。

木材を活かした外観の施設。館内を巡りながら地域の食や文化に触れられる
木材を活かした外観の施設。館内を巡りながら地域の食や文化に触れられる

9. 伊賀の里モクモク手づくりファーム(伊賀市)

体験型の農業公園として人気のスポット。体験学習では、ウィンナー、ジャージーミルクパン、タルト、アイスクリームなど、農業公園で採れた素材を使ったさまざまな手作り体験を実施。
素材から完成までの流れを体験でき、食への理解がぐっと身近になる。もみがら広場や竹馬・縄跳び広場など入園料内で遊べるエリアに加え、温泉や宿泊施設もあり、幅広い世代が楽しめるスポットだ。

敷地内を歩きながら体験や食事を組み合わせて楽しめる
敷地内を歩きながら体験や食事を組み合わせて楽しめる

まとめ

御食つ国と呼ばれる三重には、神宮の祭祀、海女の営み、農の暮らしといった多様な食の背景が重なっている。それぞれのスポットを巡ることで、食材の先にある文化や歴史が見えてくるのが特徴だ。
観光とあわせて立ち寄りながら、気になるテーマから順に体験していくのがおすすめだ。