圓光寺

開山は1601年、徳川家康が京都・伏見に建立し、学校とした後、相国寺山内に移転。そして1667年に現在の一乗寺小谷町に移転した。運慶作と伝わる本尊千手観音や重要文化財の開山元佶禅師像などの仏像のほか、円山応挙作で重要文化財の「竹林図屏風六曲」などを所蔵している。

春は満開の枝垂れ桜、夏は青もみじと杉苔、風そよぐ竹林、秋は燃えるような紅葉、そして訪れる人もまばらな冬は包み込まれるような静寂と、四季折々の姿を見せる境内には、白砂を雲海に見立て、龍を石組であらわした枯山水の「奔龍庭」や、牛を追う牧童の様子が描かれた「十牛図」を題材にし、近世初期に造られた池泉回遊式庭園の「十牛之庭」などがあり、見どころも多い。

ほかに、書院の裏庭奥には岩倉具視が造った茶室「待月庵」や、古くから「圓光寺型」として知られる盃型の手水鉢を用いた水琴窟、円山応挙がよく訪れた竹林などもある。また、徳川家康の歯を埋葬した墓のある「東照宮」は、「雨月物語」の作者である上田秋成もよくお参りしたと言われている。高台からは京都市街が一望でき、絶景スポットとしても親しまれている。