
出汁とタネが織りなす、おでんのディープな世界。偏愛ガイドが全国各地から10店を厳選。
日本の冬の風物詩として、国民食として、多くの人から愛されるおでん。一見すると、出汁でタネ(具材)を煮込んだシンプルな料理だが、地域やお店ごとに違ったディープな世界が広がっている。今回の偏愛ガイドは、全国のおでん屋、取り寄せ、コンビニなどで数百種以上を食べてきた、名物おでん探究家の柳生九兵衛さん。

大根や練り物を薄味のだし汁で煮込むおでん。地域によっていろいろなおでんがあるが、中でも「静岡おでん」は特殊。まず、だし汁の色が黒い。イワシサバやなどの赤身魚で作られた、ざらざらした食感の黒はんぺんや牛すじなど、黒っぽい具材が多いことも理由の一つだが、店よって独自に醤油や豚モツを入れたり、代々注ぎ足して使っていたりもすることも大きな理由。
具材を全て串に刺し、青のりや魚のだし粉をかけて食べるのも特徴的。魚の風味の強い黒はんぺんや、独特の風味がある牛すじはもちろん、大根や卵など定番の具材も、だし汁がしみ込んで特別な旨味を醸し出す。
静岡市内では、惣菜屋や駄菓子屋などでも串に刺した静岡おでんを 1本単位で購入できるため気軽に食べられる。JR静岡駅の近くの2つのおでん街「青葉おでん街」と「青葉横丁」は、ちょうちんがかかりレトロな雰囲気。

真っ黒なだし汁に串刺しの具材が浸かる静岡おでん

串単位で購入し、青のりと魚の出汁粉をかけて食べる

提灯が下がりレトロな雰囲気の青葉おでん街