高千穂の旅では、もともとボートに乗る予定が水位のため中止になり、残念な気持ちでいっぱいでした。ところが、高千穂あまてらす鉄道へ足を運ぶと、運よくキャンセル待ちで席を確保でき、旅全体の中で最も人の温かさと心の満足を感じられた半屋外の小さな列車に乗ることができました。
旧高千穂線を改装した屋根のない車両は、そよ風とディーゼルエンジンの響きに包まれながら、ゆっくりと山林や暗いトンネルへ入っていきます。列車が徐々に高度を上げ、かつて日本一高い鉄道橋だった橋の中央に停車すると、雄大に連なる山々と深い峡谷が眼下に一望できました。
そこで車掌が優しくエンジンを止め、みんなが写真を撮れるよう、ゆったりと時間を取ってくれました。さらに驚いたのは、シャボン玉マシンを取り出し、はるか深い谷へ向かって透き通った色とりどりのシャボン玉を飛ばしてくれたことです。七色のシャボン玉が風に乗り、青空と鉄橋の間を舞う光景は、まるで童話のような美しさでした。
もしかすると、これこそが旅の最も魅力的なところなのかもしれません。不意に訪れる残念な出来事があっても、いつも思いがけない驚きがあります。あの車掌の誠実で純粋な明るい笑顔は、今も心の奥に深く焼きつき、高千穂での思い出すべてを温かく包んでくれています。


























