台風ミークラーの通過後、熊本・阿蘇の有名な大観峰を訪れました。旅行ガイドで見るような、広大で雄大な阿蘇火山の外輪山の景色を期待していたのですが、出迎えてくれたのは、なんと一面の濃い霧。雲と霧が薄いベールのように山全体を包み込み、目の前の景色は見え隠れして、自分が台北の擎天崗にいるのか、日本・熊本の大観峰にいるのか、一瞬わからなくなるほどでした。
空からは細かな霧雨が降っていて、私たちは足早に駐車場から展望台へ向かいました。壮大な山並みや草原を見ることはできませんでしたが、その代わりに、静かで神秘的な雰囲気を感じることができました。展望スポットには、可愛らしいくまモンのマフラーを巻いた2体の神像があり、遠くから訪れる旅人をそっと見守っているようで、雨の旅に温かさとちょっとした驚きを添えてくれました。
もしかすると、大観峰の一番の魅力は、晴れた日のどこまでも広がる眺望だけではなく、天候によってまったく違う表情を見せてくれるところなのかもしれません。濃霧、霧雨、そよ風が織りなす情景が、この旅に思いがけない感動を加えてくれ、記憶の中で最も特別な熊本の風景となりました。
陳泰任さんのその他のレビュー
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サクラマチ クマモト
2019年にオープンした「サクラマチ クマモト」。ファッションやコスメ、レストランなど約150の店舗に加え、大型イベント会場の「熊本城ホール」や9スクリーンのシネマコンプレックス「TOHOシネマズ」、ホテル「KOKO HOTEL Premier熊本」、更にはオフィスや分譲マンションなどで構成される大型複合施設だ。
サクラマチ クマモト――古城と未来の間で、旅に終止符を打つ
旅の最後に、私たちはサクラマチ クマモトを訪れた。ガラスのカーテンウォールには流れる雲が映り、近代的な路面電車が街を行き交い、百貨店、バスターミナル、都市の緑地が織りなす新たな暮らしの姿が広がっている。一方、少し離れた場所には熊本城が今も静かにたたずみ、数百年にわたる歴史の記憶を守っている。
新しさと古さ。一見相反するようでありながら、この街ではごく自然に調和している。古城は歩んできた道を忘れないよう人々に語りかけ、現代建築は街を未来へと導く。テクノロジーは暮らしをより便利にしてくれるが、歴史が残したぬくもりに取って代わることはできない。時が刻んだ痕跡もまた、進歩の歩みを妨げるものであってはならない。
5日間の九州の旅は、そんな対比の中で幕を閉じた。旅から本当に持ち帰るものは、カメラに収めた風景だけではなく、一つの街への理解なのかもしれない――進歩と古朴さは、決してどちらか一方を選ぶものではなく、長い時の流れの中で互いを高め合うものだ。列車が再び動き出すと、私もこの感動を胸に熊本を後にした。次にまた熊本を訪れ、この街がどんな新しい物語をつづっていくのかを見る日を楽しみにしている。 -
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恋木神社
1226年、学問の神様・菅原道真公をまつるために建てられた「水田天満宮」の境内にある、日本全国で唯一、恋の神様「恋命(こいのみこと)」を祀る珍しい神社。「良縁幸福の神様」「恋の神様」として親しまれている。
福岡・筑後|恋木神社―何気ない日常の中で、愛のいちばん純粋な姿に出会う
福岡県筑後市にある恋木神社は、日本で唯一「恋命」を祀る神社で、良縁や恋愛成就を願う数少ない神社でもあります。参道やお守り、絵馬、神紋に至るまで、境内の至るところにハートのモチーフがあり、幸せに満ちた祈りの空間へ迷い込んだような気分になります。
訪れた日は意外にも観光客が一人もおらず、聞こえるのは蝉の声と風の音だけ。陽光に包まれた、とても静かな場所でした。想像していた七夕のようなロマンチックさも、バレンタインデーのような賑わいもなく、かえってこの神社本来の魅力をじっくり味わえました。恋人橋、恋木神木、十二支の守護像など、細部の一つひとつに愛や縁、幸福への願いが込められています。
もしかすると、胸がときめくような年頃はとうに過ぎたのかもしれません。それでも、この静けさの中で改めて感じたのは、愛とは必ずしも燃え上がるようなものではなく、そばにいる人を大切にし、何気ない日々を共に歩み続けることなのだということ。恋木神社が見守っているのは恋愛だけではなく、人生を長く共にできるご縁なのだと思います。この旅を通じて、あちこちに刻まれたハートを眺めながら、幸せに対する素朴な感動をもう一度思い出すことができました。 -
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柳川川下り
福岡県の南に位置する柳川は、「水郷の町」として知られ、市内は江戸時代の掘割が網目のように張り巡らされている。ここでの一番の楽しみは、どんこ舟で市内を回る「川下り」。船頭さんの説明や歌を聞きながら、四季折々の景色を楽しみ、ゆったりとした時間を楽しむことができる。
柳川・船頭さんの歌
福岡の柳川を訪れ、本場のうなぎ飯と海老の天ぷらを味わった後、どんこ舟に乗って名物の川下りへ。船頭さんは1本の竹竿だけで、歴史ある水路や石橋の間を巧みに進み、見事な技を披露してくれました。真夏の暑さも、両岸の緑陰と水面を渡る風、のどかな景色の中でいつの間にか和らいでいきます。何より忘れられないのは、船頭さんの深みのある温かな歌声。『涙そうそう』からテレサ・テンの名曲、『となりのトトロ』『ドラえもん』などのメロディーまで、小舟のゆったりとした歩みに寄り添い、旅を笑顔と感動で満たしてくれました。柳川の魅力は水郷の風景だけでなく、船頭さんが歌声と笑顔で何気ない船旅をかけがえのない思い出に変えてくれること。九州旅行で最も心に残る1ページになりました。 -




























