【春の名古屋市観光ガイド】桜とモダン建築が彩る春景観

【春の名古屋市観光ガイド】桜とモダン建築が彩る春景観

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筆者 :  GOOD LUCK TRIP

中部地方の中心都市・名古屋市は、徳川家ゆかりの名城とモダンな建築が共存する街。
名古屋城熱田神宮など歴史ある名所のそばに、オアシス21中部電力 MIRAI TOWERといった現代建築が並び、伝統と都市の洗練が響き合う。
春になると、街のあちこちが桜色に染まり、やわらかな光に包まれた建築がいっそう美しく映える。穏やかな陽気に誘われて、桜とモダン建築をめぐる春の名古屋を歩いてみたい。

モダン建築と新緑の街を歩く、春の名古屋の楽しみ方

やわらかな陽射しのなか、名古屋の街を歩けばモダン建築の美しさがいっそう際立つ。
名古屋市の中心部では、近代的な建物と街路樹の緑が織りなす景観が心地よく、歩くたびに都市の表情が変わっていく。広々とした公園や水辺の散策路では、春風を感じながら建築の造形や街のデザインをゆっくりと楽しめる。
歴史と現代が自然に混ざり合う名古屋では、文化施設や庭園をめぐるなかで、街に息づくアートや暮らしの美意識にふれる時間も豊かだ。
新緑の彩りに包まれた建築群をめぐりながら、名古屋ならではの春景観を五感で感じてみたい。

久屋大通公園から望む「中部電力 MIRAI TOWER」
久屋大通公園から望む「中部電力 MIRAI TOWER」

春観光の定番! 都市景観に映える、名古屋の花見スポット3選

名城とモダンな街並みが調和する名古屋では、春になると桜が街の景色をやさしく染め上げる。
市街地の公園や堀沿い、水辺の庭園など、都心にいながら季節の彩りを感じられる花見スポットが春の街に彩りを添える。まち歩きの途中に立ち寄ったり、少し足を延ばしてゆったり過ごしたりと、春らしいひとときを楽しめる。
例年の見頃は3月下旬から4月上旬ごろで、開花の時期にあわせて訪れるのがおすすめだ。
ほかにも多彩なスポットがあるので、名古屋のお花見スポットの詳細は下記記事をチェックしてみて。

1. 鶴舞公園

名古屋市が設置した最初の公園として1909年に開園し、2019年には開園110周年を迎えた名古屋を代表する総合公園。
和洋折衷の噴水塔やイタリアルネサンス風の奏楽堂が点在する歴史ある園内は、「さくらの名所100選」に選ばれる花見の名所としても知られる。春には園内に桜が咲き誇り、夜にはライトアップも実施。竜ヶ池の水面に浮見堂と桜が映る様子が美しい。

名古屋随一の桜の名所として大勢の花見客が訪れる
名古屋随一の桜の名所として大勢の花見客が訪れる

2. 名城公園

約80haの広大な敷地に広がる総合公園。
名古屋城のふもとに位置し、園内には約2,800本の桜が植えられている。季節の花々とともに春の景色を楽しめる場所で、花見の時期は多くの人でにぎわう。名古屋城が一望できるおふけ池を歩けば、桜越しに城を望む景観が春の散策路を彩る。

桜をはじめ季節の花々がおふけ池周辺を彩る
桜をはじめ季節の花々がおふけ池周辺を彩る

3. 白鳥庭園

中部地方の地形をモチーフにして作庭された、池泉回遊式日本庭園。
築山を源とする水の流れが渓谷や分流の風景へとつながり、地形をたどるように景観が変化する庭園だ。園内にはシダレザクラやヤマザクラなど約30本の桜がみられ、水辺や緑と調和して春の景観をやわらかく彩る。自然美と季節の色が重なる静かな散策が楽しめる。

東海地方最大級の池泉回遊式日本庭園を、シダレザクラと彩り豊かな花木が美しく彩る
東海地方最大級の池泉回遊式日本庭園を、シダレザクラと彩り豊かな花木が美しく彩る

春景観とモダン建築が映える、名古屋の観光スポット7選

春の光に包まれた名古屋の街では、モダンな建築と緑が織りなすやわらかな風景が街を彩る。
白川公園の美術館や科学館、オアシス21のガラス屋根など、建築そのものが春景観を形づくる場所も多い。新緑や水辺の風を感じながら、名古屋らしい都市の春を楽しめるスポットはこちら。

1. 名古屋市科学館

生命館、理工館、天文館の3棟から成り立つ、名古屋の都心にある科学館。外観の球体ドームが特徴的で、白川公園に隣接した立地は春の散策にもぴったり。
館内には体験型の展示が充実、世界最大級のプラネタリウムも備えるなど、都市の中心で科学の世界にふれられるスポットだ。

球体ドームがひときわ目を引く特徴的な外観
球体ドームがひときわ目を引く特徴的な外観

2. 名古屋市美術館

主に「郷土の芸術」「エコール・ド・パリ」「メキシコ・ルネサンス」「現代の美術」をテーマに作品を収集。館内には愛知県出身の画家・荻須高徳をはじめ、多様な作家の作品が並ぶ。
白川公園に隣接した落ち着いた環境に建ち、屋外にはコールダーやノグチらの現代彫刻が点在する。春は公園の木々が芽吹き、彫刻と緑がやわらかく調和する景観が広がる。静かな芸術空間を楽しめるスポットだ。

美術館の屋外には現代彫刻が点在
美術館の屋外には現代彫刻が点在

3. オアシス21

ガラスの大屋根「水の宇宙船」がシンボルの立体型公園。栄の中心に位置し、地下鉄やバスターミナルと結ばれたアクセスの拠点にもなっている。
エレベーターや階段で「水の宇宙船」へ上がり、散策を楽しむことも可能。春の心地よい陽ざしを浴びながら、空中散歩もおすすめだ。
また、「銀河の広場」を囲むショップや飲食店が並び、散策途中のひと休みやおみやげ選びにもぴったり。

ガラスの大屋根が象徴的な立体型都市公園「オアシス21」
ガラスの大屋根が象徴的な立体型都市公園「オアシス21」

4. ノリタケの森

世界的ブランド「ノリタケ」創業の地であり、園内にはショップやカフェ、ミュージアムなどが点在する。
1904年に建築された赤レンガ造りの建物は日本陶器合名会社(現 株式会社ノリタケカンパニーリミテド)の最初の工場。日本における洋食器製造の歴史のはじまりを象徴する重厚感ある建物だ。また、クラフトセンターでは職人の絵付け作業などを見学できる。春の緑が園内に広がり、散策も心地よい。

緑豊かな園内に佇む、歴史を感じさせる赤レンガ造りの旧工場
緑豊かな園内に佇む、歴史を感じさせる赤レンガ造りの旧工場

5. 名古屋市役所本庁舎

現在の名古屋市役所本庁舎は三代目の庁舎。昭和天皇御大典事業として建設され、1933年に竣工。近代的なビルに和風瓦屋根を載せた独特の意匠で、時計塔の頂にしゃちを配した外観が象徴的だ。
西洋的様式に日本的要素を取り入れた昭和初期建築として評価され、国の重要文化財に指定。春はやわらかな光に包まれ、重厚な姿がいっそう映える。

「日本趣味を基調とした近世式」がデザインコンセプト
「日本趣味を基調とした近世式」がデザインコンセプト

6. 中部電力 MIRAI TOWER

観光とテレビ放送用電波発信のために「名古屋テレビ塔」として建設され、名古屋のシンボルとして親しまれてきたタワー。
地上90メートルに位置する屋内展望台「スカイデッキ」からは、名古屋の景色や遠くの山々を一望することができる。また、地上100メートルの屋外展望台「スカイバルコニー」では、風を感じながら街並みを眺めることも。久屋大通公園の緑が広がる春は、眺望がいっそう心地よい。

2020年に大規模工事を終え、塔内をリニューアルした名古屋のシンボルタワー
2020年に大規模工事を終え、塔内をリニューアルした名古屋のシンボルタワー

7. 名古屋港ポートビル

白い帆船をイメージしてデザインされたユニークな外観は、名古屋港のランドマークとして知られる。
最上階の「展望室」からは名古屋港や市街地の高層ビル群などを見渡すことができ、水辺の開放感とともに眺望を楽しめる。館内には港や船について学べる海洋博物館も併設されており、春は海風が心地よい港エリアの散策と合わせて訪れたいスポットだ。

白い帆船をイメージした外観が印象的な名古屋港ポートビル
白い帆船をイメージした外観が印象的な名古屋港ポートビル

春の名古屋観光をより楽しく! 注目イベント2選

桜が咲くころから初夏にかけて、名古屋の街では春を彩るイベントが続々と開かれる。
公園での桜まつりや、歴史ある神社で行われる伝統行事など、街のあちこちが華やかな雰囲気に包まれる。屋台が並ぶイベントや山車行列が練り歩く伝統的な祭事など、地域のにぎわいを感じながら、名古屋の春をより身近に楽しみたい。

1. 荒子川公園 さくらまつり

名古屋市港区の荒子川公園で春に行われる恒例イベント。
毎年3月下旬から4月上旬にかけて開催される「さくらまつり」では、桜の開花にあわせてコンサートやワークショップ、キッチンカーの出店などを実施。川沿いに約1,000本のソメイヨシノが咲き、期間中はライトアップも行われる。昼と夜で異なる桜の景観が広がる。

荒子川の河川敷沿いに、約1キロメートルにわたって桜並木が続く
荒子川の河川敷沿いに、約1キロメートルにわたって桜並木が続く

2. 若宮まつり

名古屋市中区の若宮八幡社で毎年5月に行われる伝統行事。
江戸時代から続くこの祭礼は、最盛期には7輌の山車が曳き揃えられた豪華なもので、今も神輿渡御や山車曳行を伴う伝統行事として受け継がれている。新緑が映える季節、都心の通りを進む行列が名古屋の春から初夏への移ろいを感じさせる。

若宮まつりは毎年5月15・16日に行われる
若宮まつりは毎年5月15・16日に行われる

春のまち歩きとともに楽しむ、名古屋めしグルメスポット5選

名古屋観光に欠かせない、名古屋めし。
ひつまぶしや味噌煮込みうどん、味噌カツなど、長く地元で愛されてきた味が旅の楽しみを広げてくれる。老舗の名店からレトロ喫茶まで、春の名古屋観光の合間にご当地グルメを味わえば、旅の充実度も高まること間違いなしだ。

1. あつた蓬莱軒 本店

熱田神宮の門前町で1873年に創業した、名古屋名物のうなぎ料理「ひつまぶし」発祥の店。白鳥庭園から徒歩圏にあり、庭園散策の前後に立ち寄りやすい。
新鮮なうなぎを備長炭で焼き上げ、皮は香ばしく身はふっくらとした食感に仕上げている。3通りの味わい方で楽しめるひつまぶしは、名古屋を代表する一品だ。

1杯目はそのまま、2杯目は薬味を添えて、3杯目はだしツユを加えて味わうのがおすすめ
1杯目はそのまま、2杯目は薬味を添えて、3杯目はだしツユを加えて味わうのがおすすめ

2. 山本屋総本家 本家

豆味噌をベースとしたツユで麺を煮込んで作る名古屋名物「味噌煮込みうどん」の老舗。矢場町駅から徒歩圏にあり、名古屋市科学館・美術館の立ち寄り先としても利用しやすい。
岡崎市の「カクキュー八丁味噌」に白味噌を合わせた特製の味噌を使ったツユと、塩を使わずに仕上げたコシの強い麺が特徴。名古屋城近くの金シャチ横丁にも店舗があり、観光の合間に立ち寄りやすい。

土鍋の蓋を取り皿にして、冷ましながら食べる人も多い
土鍋の蓋を取り皿にして、冷ましながら食べる人も多い

3. 矢場とん 矢場町本店

1947年創業の名古屋名物「みそかつ」の名店。名古屋の中心部・矢場町にあり、栄エリアの観光途中にも立ち寄りやすい。
約22cmの大きさの「わらじとんかつ」が一番の人気メニュー。 天然醸造の豆味噌で作るソースをたっぷりかけ、名古屋らしい味わいを楽しめる。

南九州産の上質な豚肉を使用したみそかつを、人気の「わらじとんかつ」などで味わえる
南九州産の上質な豚肉を使用したみそかつを、人気の「わらじとんかつ」などで味わえる

4. 喫茶ニューポピー

名古屋城築城とともに作られた商人町で、白壁土蔵が立ち並ぶ景観を見られる四間道(しけみち)に佇む喫茶店。1977年、名古屋駅で創業した名店「喫茶ポピー」の歴史を継承している。
タワー状のロフト席をはじめ昭和時代の日本の純喫茶を意識した内装がフォトジェニックな店内で、自家焙煎のコーヒーや、名古屋名物の小倉トーストなどを味わえる。

趣ある蔵造り空間に、昭和時代の日本の純喫茶を意識して作られた店内
趣ある蔵造り空間に、昭和時代の日本の純喫茶を意識して作られた店内

5. 世界の山ちゃん 本店

鶏の手羽先を揚げ、辛さと風味が際立つ「幻のコショウ」と「秘伝のタレ」がやみつきになる、「幻の手羽先」が名物。二度揚げによるパリッとした食感とジューシーな身が特徴。ほかにも、どて煮やみそ串カツなど名古屋名物もそろい、名古屋名物を一度で味わえるのも魅力。
栄エリアにあり、名古屋中心部の観光途中に立ち寄りやすい。

ビールとの相性抜群で、あっという間に皿からなくなってしまうという「幻の手羽先」
ビールとの相性抜群で、あっという間に皿からなくなってしまうという「幻の手羽先」

名古屋の春旅を楽しむ、観光拠点に便利なホテル3選

名古屋駅直結の高層ホテルや、栄の中心に位置する老舗など、主要エリアに身を置けば移動も観光もスムーズ。
窓辺にやわらかな光が差し、街路樹の若葉や夕景のグラデーションが広がる季節。都市の景色を味方に、名古屋らしい滞在を楽しみたい。

1. 名古屋東急ホテル

ヨーロピアンテイストの空間が広がる、エレガントなホテル。
館内は気品あるインテリアで統一され、老舗ならではの落ち着いた雰囲気の中で過ごすことができる。客室はスタンダードからスイートまで幅広く、さまざまな宿泊ニーズに応えてくれるのもうれしいポイントだ。
栄の中心に位置し、オアシス21や白川公園へのアクセスもよく、観光拠点として利用しやすい。

名古屋の中心街・栄に位置し、観光拠点としての利便性が高い
名古屋の中心街・栄に位置し、観光拠点としての利便性が高い

2. 名古屋JRゲートタワーホテル

JR名古屋駅直結というアクセス性抜群のホテル。JRゲートタワーの15F〜24Fの高層に位置しており、多くの部屋から名古屋市街の景色を一望できるのも魅力。
寝心地のよいシモンズ社製ベッドや遮光カーテンを備えた客室で、移動の多い旅でも快適に過ごせる。朝食ブッフェでは名古屋名物も並び、1日の始まりをゆったりと迎えられる。

130種類以上の多彩な料理が並ぶ朝食ブッフェも好評
130種類以上の多彩な料理が並ぶ朝食ブッフェも好評

3. 名古屋プリンスホテル スカイタワー

名古屋駅から、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線で1駅の、ささしまライブ駅に直結し、観光拠点としての利便性も高いホテル。「空の浮きふね」をコンセプトとした全客室が地上32〜36階の高階層にあり、名古屋の夜景を一望することができる。
夕景から夜へと移ろう街の光が、春の名古屋滞在に印象的な時間を添える。

名古屋駅周辺の高層ビル群が一望できる「プレミアムコーナーツインルーム 名古屋ステーションビュー」
名古屋駅周辺の高層ビル群が一望できる「プレミアムコーナーツインルーム 名古屋ステーションビュー」

モダン建築と春の街並みを歩く、名古屋観光モデルコース

モダン建築と春景観が織りなす街を歩く、名古屋の1泊2日旅。
白川公園やオアシス21、MIRAI TOWERなど、建築と自然が調和する風景をめぐりながら、街の表情の変化を楽しむ。
名城公園の桜や名古屋めしとの出会いも旅を彩る、春の名古屋を満喫できるプランはこちら。

1日目
地下鉄名古屋駅 → 「ノリタケの森」で春の緑とレンガ建築を散策 → 「名古屋市科学館」「名古屋市美術館」でモダン建築をめぐる → 白川公園周辺で「山本屋総本家」の味噌煮込みうどんランチ → 「オアシス21」「中部電力 MIRAI TOWER」で春の街景色を楽しむ → 「矢場とん 矢場町本店」で味噌カツの夕食 → 「名古屋東急ホテル」に宿泊
2日目
地下鉄栄駅→桜咲く「名城公園」から「名古屋城」へ、春さんぽ → 「白鳥庭園」で水辺の桜と新緑を楽しむ → 「あつた蓬莱軒 本店」でひつまぶしランチ

春の名古屋の平均気温

3月の平均気温は9℃前後で、朝晩はまだコートが手放せない日も。4月は14.5℃前後と過ごしやすく、春らしいやわらかな陽気に包まれる。
5月に入ると約19.5℃まで上がり、日中は汗ばむほどの暖かさに。街歩きや屋外観光を楽しむには最適の季節だ。

3月 4月 5月
気温 9.2 14.6 19.4

出典:気象庁

春の名古屋を快適に過ごす服装のポイント

春の名古屋は日中こそ穏やかだが、朝晩は気温が下がりやすく、寒暖差が大きいのが特徴。
3月は薄手のニットや長袖シャツに、軽めのコートやジャケットを重ねると安心。4月以降はカーディガンや薄手の羽織りものが活躍し、5月は日中の陽射しに合わせて軽装でも快適に過ごせる。
花見や街歩きでは、風の強い日や夜間に備えて一枚余分に持っておくと安心だ。

春の名古屋観光に関するよくある質問

Q

名古屋で桜が見頃になるのはいつごろですか?

A

例年の見頃は3月下旬から4月上旬ごろ。市内では鶴舞公園や名城公園などで3月末がピークになります。気温や天候によっては、郊外の桜が数日遅れて咲くこともあります。

Q

春でも朝晩は冷えますか?

A

3月はまだ寒い日が多く、朝晩は5〜7℃前後まで下がることもあります。4〜5月は日中との気温差が大きいため、カーディガンや薄手のジャケットを持っておくと安心です。

まとめ

桜や新緑が彩る春の名古屋は、街歩きがいっそう楽しくなる季節。
歴史とモダンが混ざり合う街には、建築やグルメ、花の風景など多彩な魅力がもりだくさん。春風に誘われて、名古屋の街散策にでかけよう。