米塚
阿蘇山の中核をなす阿蘇五岳の一つ、杵島岳の麓にある円錐形の火山。高さ約80mほどの小さな山で、約3300年前の噴火で形成されたと言われている。斜面は草原に覆われており、春から夏にかけては山が美しい緑に染まる。斜面が一面黄金色に輝く秋や、雪をかぶって真っ白になる冬の時期もまた違った美しさだ。
阿蘇の曲がりくねった山道を車で走り、あるカーブを曲がると、ひっくり返した大きなプリンのような「米塚」が不意に視界へ飛び込んできた。丸みを帯びたかわいらしい火山丘の姿に、思わず笑みがこぼれる。
道沿いには親切にも待避所が数か所設けられており、車を停めて降り、静かに米塚と向き合うことができる。秋の米塚は、ネットでよく見かける鮮やかな緑から装いを変え、丘全体が黄金色のススキに覆われていた。山頂のわずかにくぼんだ火口には、荒涼として静かな、もの寂しい美しさが漂っている。
夏のような生き生きとした活気はないものの、秋風が金色のススキを揺らすとき、大地が見せる広大さと孤独感は、むしろいっそう心に深く響く。よく目にする景色とは異なるこの秋の出会いには、私にとって心を酔わせ、癒やしてくれる独特の趣があった。
































































