【醍醐寺の観光ガイド】日本の歴史文化と趣感じる花の名所

【醍醐寺の観光ガイド】日本の歴史文化と趣感じる花の名所

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

醍醐寺(だいごじ)」は日本の仏教宗派の1つである、真言宗醍醐派の総本山。
世界遺産にも登録されている、広大な境内では日本庭園や五重塔などの歴史的な建造物が見られる。
桜の名所としても知られており、日本の歴史・文化を感じられる場所として人気を集めている。
この記事では「醍醐寺」における基本情報に加え、見どころや把握しておきたい境内のエリアなどをご紹介。
併せて周辺の観光スポットも紹介するので、観光で「醍醐寺」を訪れる前に知っておくべき情報がわかるはずだ。

目次

醍醐寺ってどんなところ?

「醍醐寺」は京都市の伏見区に位置するお寺。
1,100年以上の歴史を持ち、「古都京都の文化財」の1つとしてユネスコ世界文化遺産に登録されている。
醍醐山一帯が境内であり、その敷地面積は約200万坪にも及ぶ。
貴重な国宝や重要文化財を含む寺宝(その寺に伝わる宝物のこと)が数多く所蔵されており、その数は約10万点に及ぶ。
その一部は季節ごとに展示替えを行いながら公開されるので、実際に目にすることも可能だ。
「醍醐寺」は桜の名所でもあり、「花の醍醐」とも称される。
豊臣秀吉(とよとみひでよし)が盛大な花見を開いたことでも有名だ。

美しい庭園も見どころのひとつ
美しい庭園も見どころのひとつ

醍醐寺の成り立ち

「醍醐寺」が建立されたのは、今から1,100年以上前となる874年のこと。
現在の「醍醐寺」がある醍醐山は元々、神が宿る霊山として山岳信仰の対象だった。
聖宝(しょうぼう)という僧侶が「醍醐寺」の開祖であり、弘法大師の名でも知られる空海の孫弟子でもある。
聖宝は後の醍醐山となる場所の守護神である横尾明神と出会い、この地を譲り受けた。
その後にお堂を建てて仏像を祀り、「醍醐山」と名付けたことが「醍醐寺」の始まりとされている。

醍醐寺へのアクセス

京都観光の移動拠点となる「JR京都駅」を起点とする、「醍醐寺」へのアクセスを紹介しよう。

経路
1.「JR京都駅」で東海道山陽本線に乗車し、「山科駅」で下車
2.「山科駅」で京都市営東西線に乗車し、「醍醐駅」で下車
3.「醍醐駅」から歩いて10分ほど
所要時間
約30分

醍醐寺の拝観時間と拝観料

「醍醐寺」の拝観時間と拝観料は、以下の表を参考にしてほしい。
境内の各エリアや建物によって、拝観時間と拝観料は異なるため、注意しよう。

拝観時間
・3月1日~12月第1日曜 9:00~17:00
・12月第1日曜の翌日~2月末日 9:00~16:30
※最終受付は閉門30分前
【上醍醐】
・3月1日~12月第1日曜 9:00~15:00
・12月第1日曜の翌日~2月末日 9:00~14:00
拝観料
三宝院庭園・伽藍:大人1,000円・中高生700円
三宝院御殿特別拝観:500円
霊宝館本館・平成館特別展示:500円以上、
上醍醐:入山料600円(三宝院・霊宝館・伽藍の拝観者は500円)
※小学生以下は無料

醍醐寺のお勧め観光シーズンは?

「醍醐寺」を観光するなら、お勧めの観光シーズンは春と秋だ。
その理由は「醍醐寺」が桜の名所であると同時に、紅葉の名所でもあるから。
訪れる時期を調整できるなら、ぜひ春か秋に訪れてもらいたい。

豊臣秀吉が造り上げた景観と風情を堪能できる「春の醍醐寺」

「醍醐寺」は「花の名所」と呼ばれており、豊臣秀吉による「醍醐の花見」でも有名だ。
「醍醐の花見」とは豊臣秀吉が1598年に700本の桜を植え、「三宝院」と庭園を造るなどして開いた宴のこと。
現在も桜の名所であり続け、桜の見頃を迎えた境内では、約700本の様々な種類の桜が咲き誇る。
境内の建造物や庭園と白や薄いピンクの華やかな桜が調和した景観は、まさに春の絶景。
見どころは樹齢150年とされる「太閤しだれ桜」で、優美さの中に力強さを感じられる。
期間限定でライトアップも行われるため、幻想的に輝く夜桜も楽しめる。
桜の見頃を迎えるのは3月下旬~4月上旬だ。

桜が彩る境内を散策してみよう
桜が彩る境内を散策してみよう
優美で力強い太閤しだれ桜
優美で力強い太閤しだれ桜

水面に反射する幻想的な景色は必見!秋の醍醐寺

「醍醐寺」は紅葉の名所でもあり、見頃を迎えた境内は美しい赤やオレンジの色彩に包まれる。
境内の庭園にある「弁天池」には、特に美しい光景が広がる。
ライトアップされた紅葉とお堂が水面に反射する、幻想的な景色は必見。
紅葉の見頃である、11月中旬から12月上旬にぜひ足を運んでほしい。

弁天池の絶景は見逃せない
弁天池の絶景は見逃せない

醍醐寺観光で把握すべき4つのエリア

「醍醐寺」は境内が広いうえに見どころも多いため、どこから観光するべきか迷ってしまうだろう。
ただし、これから紹介する4つのエリアに分けて境内を把握しておくことで、観光する場所を絞りやすくなるはずだ。

歴史的建造物と美しい庭園が魅力の「三宝院」

入口となる総門をくぐって左手に「三宝院」は位置している。
三宝院は「醍醐寺」における本坊(寺院において、住職が住む建物のこと)として存在しており、三宝院にある建造物の多くが重要文化財に指定されている。
寝殿造りの様式を現在に伝える「表書院」は国宝に指定されており、歴史的に貴重な建造物の数々を間近で鑑賞できるのが三宝院の魅力だ。
日本ならではの文化を肌で感じながら、深い歴史に想いを馳せてみてほしい。

歴史的建造物が多い三宝院へと続く唐門
歴史的建造物が多い三宝院へと続く唐門

国宝や重要文化財が眠る「霊宝館」

三宝院の向かいに位置する「霊宝館」。
「醍醐寺」の貴重な寺宝の数々を保存し、公開するための施設として1935年に開館された。
国宝や重要文化財が7万5千点以上、未指定のものを含めれば約10万点の寺宝が所蔵されている。
工芸品や絵画など、唯一無二と言える貴重な文化財の数々を見学できる点が何よりの魅力だ。
春と秋に開催される特別展も見どころのひとつ。

貴重な文化財の数々を見学しに行こう
貴重な文化財の数々を見学しに行こう

仏教建築の魅力を堪能できる下醍醐(伽藍)

総門からそのまま直進し、「仁王門(西大門)」を通り抜けると「下醍醐」に到着する。
下醍醐は「伽藍(がらん)」とも呼ばれ、伽藍とは僧侶が集まって修行する場所を指す言葉。
数々の仏教建築を見られるのが下醍醐の魅力だろう。
国宝に指定されており、「醍醐寺」の中心となる「金堂」が見どころ。
過去に2度焼失しており、現在の金堂は豊臣秀吉によって和歌山県から移築されたもの。
京都で最も古い木造建築である五重塔も見どころのひとつで、同じく国宝に指定されている。

五重塔をはじめとする仏教建築の魅力を堪能しよう
五重塔をはじめとする仏教建築の魅力を堪能しよう

醍醐寺創建の地・上醍醐

「上醍醐」は下醍醐を抜けたさらに奥、山道を1時間ほど歩いた場所にある。
「醍醐寺」発祥の地であり、上醍醐の中央に位置する「薬師堂」は醍醐天皇によって創建された国宝。
「醍醐寺」が創建された847年以来、湧き続けているのが上醍醐にある醍醐水。
開祖である聖宝が横尾明神と出会う逸話にも登場し、現在でも実際に飲むことが可能。
山の中である点も相まって、不思議なパワーを感じられるのが上醍醐の魅力だ。
昔から山岳信仰の対象だったことも納得できる雰囲気に満ちている。

今でも豊かな自然が残る場所で神秘的なパワーを体感しよう
今でも豊かな自然が残る場所で神秘的なパワーを体感しよう

日本の文化と歴史に触れられる醍醐寺の見どころ5選

歴史情緒を感じられる建造物や日本庭園など、日本文化に深く触れられるのが「醍醐寺」の魅力だ。
ここからは「醍醐寺」に数多くある見どころの中でも、観光するうえで外せないスポットを厳選して紹介する。
まずはこれらのスポットへ訪れることを目的に、「醍醐寺」の観光プランを組み立ててほしい。

1. 京都最古の木造建築「五重塔」

五重塔は醍醐天皇の冥福を祈るため、第一皇子である朱雀(すざく)天皇によって着工され、第二皇子の村上(むらかみ)天皇の時代に完成した。
国宝に指定された貴重な文化財であると同時に、京都において最も古い木造建築物だ。
重厚でありながら、洗練された佇まいが魅力の建物と言える。

歴史ある京都の中でも特に古い建物をその目で眺めてほしい
歴史ある京都の中でも特に古い建物をその目で眺めてほしい

2. 豊臣秀吉自ら設計した「三宝院庭園」

三宝院内にある「三宝院庭園」。
豊臣秀吉が「醍醐の花見」を開催する際に、自ら基本設計を施した特徴的な庭だ。
亀の甲羅のように見える「亀島」など、ユニークな建造物が多く、三宝院庭園ならではの趣を感じられるのが魅力。

ユニークな建造物を楽しみながら散策しよう
ユニークな建造物を楽しみながら散策しよう

3. 醍醐寺の中心となる建物「金堂」

「醍醐寺」の本尊(宗教における、信仰の対象物)である、薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)を安置している金堂。
歴史を感じられる風格と鮮やかな朱色が調和した姿は美しく、春には周囲に桜が咲き乱れて美しさが増す。国宝にも指定されている。

桜と美しい金堂のコラボレーションは必見
桜と美しい金堂のコラボレーションは必見

4. ユニークな造りが魅力の「表書院」

「表書院」は豊臣秀吉による「醍醐の花見」の際に奈良県から移築されたもので、現在は国宝に指定されている。
元々は能の楽屋で、能舞台として使うことも可能だ。
平安時代(794年~1185年)における寝殿造り(建築様式の1つ)の様式を取り入れた、ユニークな造りが魅力だ。
重要文化財である襖(ふすま)絵も見どころなので、忘れずに見学してほしい。

建物内部もじっくり観察してみよう
建物内部もじっくり観察してみよう

5. 紅葉とのコラボレーションが美しい「弁天堂」

「弁天堂」は弁財天を祀るためのもので、鮮烈なまでの朱色が美しい。
弁財天は音楽や芸術、知識などの女神として七福神にも数えられている。
弁天池の水面に反射する弁天堂の様子が印象的で、見頃を迎えた紅葉は見どころのひとつ。
手前の橋と併せて、絶好のフォトスポットにもなるはずだ。

紅葉の時期に訪れたいスポットのひとつだ
紅葉の時期に訪れたいスポットのひとつだ

醍醐寺の周辺観光スポット3選

ここからは「醍醐寺」を満喫したら、併せて訪れてほしい観光スポットを紹介する。
「醍醐寺」の周辺には人気の神社仏閣をはじめ、地域のランドマーク的なスポットもある。
写真映えするスポットも多いので、「醍醐寺」とは違った側面から京都観光を楽しめるはずだ。

1. 伏見稲荷大社

五穀豊穣、商売繁昌、家内安全、病気平癒、諸願成就の神様として日本各地で親しまれ、全国で約30,000社あると言われる稲荷神社の総本宮。711年に創建された。
特に注目度の高いスポットは、「千本鳥居」。本殿の後ろに朱色の鳥居がトンネル状に連なっている。
参拝者が祈りと感謝を込めて奉納したのがはじまりで、稲荷山全体では1万基を越えているそう。

神秘的な美しさを誇る朱色の「千本鳥居」は壮観
神秘的な美しさを誇る朱色の「千本鳥居」は壮観

2. 宇治橋

京阪宇治駅に降り立ち改札を出ると、まず目に飛び込んでくる宇治のランドマーク。
橋寺放生院の「宇治橋断碑」によると、飛鳥時代の大化2年(646)、奈良元興寺の僧道登によって架けられたと伝わり、「瀬田の唐橋」「山崎橋」と並び日本三古橋の一つに数えられる。

日本三古橋の一つに名を連ねる、宇治のランドマーク的存在
日本三古橋の一つに名を連ねる、宇治のランドマーク的存在

3. 平等院

平安時代の権力者・藤原道長が別荘として使用していたものを、息子・頼通が受け継ぎ、1052年に寺に改め開かれた。
1994年に世界遺産に登録。2014年の改修を経て、創建時の姿に近づいたとされている。
本尊の阿弥陀如来像が安置されている阿弥陀堂は必見。
シンメトリーな壮麗さに、きっと見惚れてしまうはず。
創建当時、極楽往生を願う思想が流行しており、極楽浄土の宮殿をイメージして建てられた。

完璧なシンメトリーが圧巻! 極楽浄土を思わせる幻想的なお堂にうっとり
完璧なシンメトリーが圧巻! 極楽浄土を思わせる幻想的なお堂にうっとり

醍醐寺に関するよくある質問

Q

醍醐寺のご利益は?

A

様々なご利益がありますが、主には開運成就や良縁成就、安産などです。

Q

醍醐寺の桜の見頃は?

A

3月下旬~4月上旬とされています。

Q

醍醐寺の紅葉の見頃は?

A

11月中旬~12月上旬です。

まとめ

この記事では「醍醐寺」の基本情報や見どころ、観光前に知っておくべき境内のエリアなどを紹介してきた。
春や秋の自然景観をはじめ、日本文化を存分に感じられる歴史的な建造物など、様々な見どころを持っている点が「醍醐寺」の魅力。
京都を観光するなら、ぜひ「醍醐寺」にも訪れてみてほしい。
京都の観光スポットを厳選して紹介している、以下の記事も参考に京都を満喫しよう。