初めての山陰山陽地方なら訪れるべき人気観光スポット25選
関西地方よりも、さらに西部に位置する「山陰山陽地方」。
日本海と瀬戸内海のふたつの海に囲まれ、中央は中国山地で分断されているため、県ごとに特色が大きく異なる。
豊かな自然と調和する街並みや歴史的建造物、全国的なパワースポット、四季折々の自然景観など、多様な魅力に溢れている。
そんな山陰山陽地方の魅力とともに、5つの県ごとに人気観光スポットを紹介していく。
紹介する観光スポットを中心に、山陰山陽観光のプランを立てれば、その魅力を満喫できるだろう。
山陰山陽ってどんなところ?
日本の西部に位置する「山陰山陽地方」は、鳥取・島根・岡山・広島・山口の5県から成る。「中国地方」とも呼ばれることも多い。
中央を走る中国山地を境に気候が異なる2つのエリアに分かれている。
北側の「山陰地方」は日本海側気候で、冬には雪が多く降り積もる。
南側の「山陽地方」は瀬戸内海に面し、温暖で降水量が少なく穏やかな気候だ。
山陰山陽地方の魅力は、四季折々の美しい自然と古くから残る日本の歴史と文化だ。
「厳島神社」「原爆ドーム」「石見銀山遺跡」など、世界遺産も点在している。
本州と四国を結ぶ「瀬戸大橋」や日本最大級の砂丘「鳥取砂丘」といった絶景スポットも盛りだくさん。
「出雲大社」をはじめ、パワースポットとして有名な神社も多い。
日本海と瀬戸内海、それぞれの海産物を味わえるのも魅力のひとつだ。
海や山の幸を活かした郷土料理やご当地グルメも多く、地域ごとの特色が楽しめる。
山陰山陽のおすすめの観光シーズンは?
山陰山陽地方を訪れるなら、多種多様な紅葉スポットを楽しめる秋がお勧めだ。
渓谷を染める鮮やかな紅葉や、色彩豊かな日本庭園が広がる風景は、美しさと日本情緒を感じられるだろう。
特に広島の宮島は紅葉スポットとして有名で、その美しさは一見の価値あり。
山陰山陽の季節ごとの着衣例
- 春(3月 - 5月): 軽めのジャケットおよび薄手のセーター
- 夏(6月 - 8月): 薄手の着衣、半袖
- 秋(9月 - 11月): 軽めのジャケット、コート
- 冬(12月 - 2月): 厚手のコート、ウールスーツ、厚手のセーターやジャケット
山陰山陽への移動方法は?
山陰山陽観光の主要交通手段
山陰山陽地方の都市部は公共交通機関が充実しており、電車とバスだけで主要観光スポットへアクセスできる。
ただ、山深い地域や特定の地域間は、公共交通機関だけでは移動しづらい。
山陰山陽地方を巡る場合は、事前に公共交通機関でのアクセスを調べて、移動しやすい県を巡るなど工夫が必要となる。
移動の効率を考えるとレンタカーの利用もお勧め。
一部の地域では、観光タクシーが運行しており、車を借りなくても効率よく観光スポットを巡れるだろう。
鳥取の多様な魅力を満喫できる人気観光スポット5選
ここからは山陰山陽地方の県ごとに、人気観光スポットを紹介しよう。
1つ目は山陰山陽地方の北東部に位置する鳥取。
北は日本海、南には中国山地の山々が連なり、豊かな自然に囲まれている。
鳥取のシンボルでもある日本最大の砂丘「鳥取砂丘」は、国の天然記念物にも指定され、その壮大な景観は訪れる人々を魅了する。
その他にも季節によって表情を変える、風光明媚な観光スポットが点在。
有名なマンガの世界観や魅力を楽しめるスポットなどもあり、鳥取の楽しみ方は無限大だ。
鳥取の魅力を存分に楽しめる、人気観光スポットを紹介しよう。
1. 鳥取砂丘
鳥取県鳥取市の日本海側に、東西16km、南北2.4kmにも広がる日本最大級の砂丘。
特別保護地区、そして国の天然記念物にも指定されている鳥取県を代表する観光名所だ。
鳥取砂丘に入るのは無料だが、アクティビティー等にはそれぞれお金がかかる。
2. 鳥取砂丘 砂の美術館
砂像を専門に展示する世界初の美術館。「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれた、茶圓勝彦氏がプロデュースし、各国から砂像彫刻家を招いて世界最高レベルの砂像を造作している。
テーマは毎年変わり、会期が終わると砂像は全て元の砂へ戻るため、期間内しか見られないのが特徴だ。
3. 水木しげるロード
1993年に誕生した水木しげるロード。
境港駅から水木しげる記念館まで続くおよそ800mの道では、鬼太郎と目玉おやじ、ねずみ男といった、水木しげる先生の漫画で登場したキャラクターをはじめ、コロボックルや砂かけ婆など妖怪たちの177体の妖怪ブロンズ像がお出迎え。
4. 金持神社
全国でもたったひとつしかない、縁起のよい名前で知られる神社。
国土経営、開運、国造りの神様である天常立尊、八束水臣津努命、淤美豆奴命を御祭神として祀っている。
開運伝説があり、宝くじ愛好家や自営業者が金運招福や商売繁盛を祈願しに数多く訪れる。
5. 倉吉白壁土蔵群
江戸時代から大正時代にかけて建築された古い商家と土蔵が玉川沿いに並ぶ、国重要伝統的建造物群保存地区。
室町時代に打吹城の城下町として栄え、江戸時代には陣屋を中心に武家屋敷が建てられた歴史あるエリアで、小京都とも呼ばれる美しい町並みが魅力だ。
神話のふるさと島根の人気観光スポット5選
鳥取の西部に面する島根。
日本神話の舞台であり、神々の国とも呼ばれる島根には、全国的に有名なパワースポットが多い。
なかでも出雲大社は格式高い神社で、多くの参拝客が訪れている。
パワースポットを巡った後は、日本最古の歴史を持つ「玉造温泉」で、心身を癒すのもお勧めだ。
島根観光で訪れるべき、人気観光スポットを紹介しよう。
1. 出雲大社
出雲大社は、日本最古の歴史書「古事記」(712年)にも記されており、伊勢神宮と並び日本で最も重要な古社のひとつ。
縁結びの神として有名な大国主大神を主祭神として祀る。
神楽殿正面にある大しめ縄が有名。長さ13m、重さ5.2トンと、日本最大級の大きさを誇る。
2. 足立美術館
島根県安来市出身の実業家、足立全康によって設立。
横山大観、竹内栖鳳、上村松園、橋本関雪、榊原紫峰といった近・現代日本画コレクションを中心に陶芸や木彫など約2000点を収蔵、順次公開している。
特に横山大観の作品は約120点を数え、「大観美術館」と呼ばれるほど。特別展示室では、常時約20点の大観の作品が見られる。
3. 松江城
宍道湖にほど近い標高29mの亀田山にそびえる平山城で、2015年に国宝に指定。
出雲・隠岐の大守である堀尾吉晴が約400年前に築城した。千鳥が羽を広げたような破風を持つことから「千鳥城」とも呼ばれる。
天守閣は4重5階に地下1階を備え、最上階の望楼「天狗の間」は展望台と司令塔の役割を持っていたため、壁がなく手すりのみ。
4. 出雲日御碕灯台
島根県西端部の日御碕断崖に立ち、地面から塔頂までの高さ43m、海面から灯塔の灯までは63mと、石造灯台としては日本一の高さを誇る。
「世界灯台100選」「日本の灯台50選」にも選定された、日本を代表する大型石造洋式灯台だ。
外壁は松江市美保関町の谷合で切り出された石を使い、内壁はレンガで造られた二重構造の作りで、内部の見学もできる。
5. 島根県立しまね海洋館アクアス
島根県立石見海浜公園内にある、中国・四国地方最大級の水族館。約400種1万点の海の生物を展示している。
北極海に生息するシロイルカを飼育している、西日本唯一の水族館でもある。
別名「海のカナリア」とも呼ばれるシロイルカの水中パフォーマンスが人気で、口から泡を出す「幸せのバブルリング」®や、頭上にふわりと現れる「幸せの魔法 マジックリング」、リングをくぐり抜ける「幸せの縁 ミラクルリング」は必見。
瀬戸内海の絶景と日本の歴史文化を満喫!岡山の人気観光スポット5選
鳥取の南部に面する「岡山」は、雄大な山々と穏やかな瀬戸内海に囲まれた美しい自然景観が魅力。
特に瀬戸内海に浮かぶ島々を「瀬戸大橋」から望む絶景は必見。
日本の風情ある美しい街並みや、名城・日本庭園など、歴史と文化を感じられる名所が点在する。
多様な楽しみ方ができる岡山を観光すれば、新たな日本の魅力を発見できるだろう。
1. 倉敷美観地区
白壁の蔵屋敷、なまこ壁、柳並木の風景など、情緒豊かな町並みが美しい倉敷美観地区。
伝統ある建物、そして倉敷川沿いに広がるレトロモダンな風景が観光客に人気である。
日本初の私立西洋美術館である「大原美術館」や、明治時代の工場を複合施設として改修し美しく生まれ変わった「倉敷アイビースクエア」など、見どころも多い。
2. 岡山後楽園
岡山藩主、池田綱政がやすらぎの場として作らせた大名庭園で、1700年に一応の完成をみた。
綱政の時代には、園内の座敷から眺望を楽しむ庭だったが、時代ごとの社会情勢や藩主の好みにより庭の景観は変化し、水路や池が造られるなど徐々に回遊性が増していった。
3. 瀬戸大橋
本州の岡山県と四国の香川県を結ぶ瀬戸大橋。海峡部9.4kmに架かる6橋を総称して瀬戸大橋と呼ぶ。
吊橋、斜張橋、トラス橋など種類の異なる橋梁が連なり、道路・鉄道併用橋としては世界最大級の規模を誇る。
そんな瀬戸大橋の絶景を眺めるには、瀬戸中央自動車道海峡部のほぼ中央に位置する与島パーキングエリアがおすすめ。
4. 備中松山城
現存する天守が残っている城は、備中松山城も含め全国で12城あるが、山城では備中松山城のみ。
2層の天守をはじめ、二重櫓や土塀の一部が残っており、天守内部の籠城に備えた部屋や囲炉裏のある大広間などを見学できる。
市街地北部に位置する標高約480mの臥牛山は、「大松山」「天神の丸」「小松山」「前山」という4つの峰の総称で、城はこれら4つの峰を中心に築かれていた。
5. 吉備津神社
神の山と崇められる吉備の中山の北西麓に位置し、主祭神は大吉備津彦命。
国宝に指定されている本殿と拝殿は直接接続しており、全国で唯一の建築様式「吉備津造り」。
過去2回の火事によって焼失したが、1425年、足利義満の時代に再建された。京都の八坂神社に次ぐ大きさで、出雲大社の2倍以上の広さを誇る雄大なもの。
2つの世界遺産と美しい自然景観が魅力!広島の人気観光スポット5選
山陰山陽地方のほぼ中央に位置する広島。
2つの世界文化遺産を有し、瀬戸内海や中国山地の豊かな自然に恵まれている。
歴史的建造物と自然が織りなす絶景スポットや、原爆の恐ろしさを今に伝えながら、平和を願うスポットに足を運んでみてほしい。
自然と調和する古き良き街並みもあり、心に残る様々な風景に出会える。
1. 原爆ドーム(平和記念公園)
原爆ドームはもともとはチェコ出身のヤン・レツルの設計により、大正4年(1915年)4月5日に「広島県物産陳列館」として完成。
しかし、原爆投下の際には爆心地から160mの至近距離で被害を受けた。
むき出しになった鉄骨や、ボロボロになった外壁などが、被爆を受けた当時のままで残されており、いつからか「原爆ドーム」と呼ばれるようになった。
悲惨な歴史を現代に伝える貴重な建物である。
2. 広島平和記念資料館
1945年に、世界で初めて原子爆弾による被害を受けた広島。
その惨劇を世界中の人びとに伝え、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に寄与する目的で1955年に開館した。
資料館は「原爆ドーム」でよく知られる「平和記念公園」内にあり、本館と東館からなる。本館では被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真などを展示。
3. 嚴島神社
神の島と呼ばれる厳島に建てられた嚴島神社。
境内の社殿のほとんどが国宝や、重要文化財に指定されている。海のなかに立つ大鳥居は2022年に3年半に渡る「令和の大改修」を終えて鮮やかな朱色に蘇り、より迫力のある姿を見せている。
4. 広島城
広島城は、1589年に豊臣秀吉の五大老の一人として知られている毛利輝元によって築城された。
広島市の中心部にあり、アクセス良好な広島の観光名所として有名だ。天守閣は展示室になっており、日本刀や甲冑などを展示。
最上階の展望台からは、広島の町並みが広がる。原爆投下で焼失してしまった表御門や太鼓櫓などの建物も、1990年代に復元されており、美しい景観を見られる。
5. 鞆の浦
古くから船の航行に適した潮を待つ「潮待ちの港」として栄えた鞆の浦。
万葉集にも詠まれている場所として知られる。
日本で最初の国立公園に指定されており、瀬戸内海に仙酔島や弁天島が浮かぶのどかな風景が広がる。
その美しさから有名なハリウッド映画のロケ地やアニメの舞台にも選ばれており、観光客に人気のスポットである。
絶景も歴史スポットも盛りだくさん!山口の人気観光スポット5選
山陰山陽地方の最西部に位置し、瀬戸内海と日本海の異なる表情を持つふたつの海と、歴史文化に恵まれている山口。
福岡(九州地方)と「関門トンネル(海底トンネル)」で結ばれていることから、九州への玄関口としても知られている。
幕末ゆかりの史跡や国宝など、日本の歴史文化を感じられる観光スポットが多く、1日では回りきれないほど。
神社仏閣や歴史的建造物も多く、人気観光スポットが各地に点在している。
自然の絶景や歴史など、日本の魅力を存分に満喫できる観光スポットが詰まっている。
1. 錦帯橋
錦帯橋は国指定の名勝、日本三名橋のひとつにもなっている、日本を代表する木造橋。
錦川にかかる全長193.3m、幅5mの大きく美しい五連アーチ橋。
世界でも類を見ない構造をしており、ユネスコ世界文化遺産への登録を目指している。
頑丈な組木の技法により、橋上からの圧力で更に強度が増す仕組み。橋の下から見上げると、組木がよく見える。
2. 角島大橋
2000年に開通した角島大橋。
山口県下関市本土側と離島の角島を結ぶ橋で、全長は1,780mと無料で渡れる離島架橋としては国内有数の長さを誇る。
北長門海岸国定公園内に位置する橋は、周囲の景観に配慮し橋脚の高さを18mに抑えて設計。
海面から道路までの距離が近く、海を間近に感じながらドライブを楽しめる。
3. 元乃隅神社
山口のパワースポットとも言われるのが、長門市油谷津黄にある元乃隅神社。
商売繁盛、大漁、海上安全をはじめ良縁、子宝、開運厄除、交通安全、学業成就、願望成就などの大神。
神社敷地内にある高さ6mの大鳥居の上部にお賽銭が設置されており、賽銭を見事に投げ入れられたら願いが叶うといわれている。
4. 秋吉台・秋芳洞
山口県中心部、美祢市の中・東部に広がる日本最大級のカルスト台地、「秋吉台」。
約3億年前の暖かい海のサンゴ礁が、長い年月をかけプレートに乗って移動する間に石灰岩となり、地上に押し上げられ現在の「秋吉台」になった。大草原の草の間から顔を出す白肌の石灰岩は圧巻だ。
5. 国宝 瑠璃光寺五重塔
応永6(1399)年、応永の乱で命を落とした大内義弘を弔うために弟の盛見が建立を計画、嘉吉2(1442)年に完成したといわれる五重塔。
高さ31.2m、建築様式はおおむね和様式で一部唐様式が使われている。檜皮葺で塔身部は上層部に向かって細くなっており、すっきりとした印象。
観光と併せて楽しむべき山陰山陽のご当地グルメ
山陰山陽地方は野菜や果物などの農産物の生産も盛んで、瀬戸内海と日本海の魚介類の違いも楽しめる。
そのため、ふぐやあなご、和牛、松葉ガニなど、その土地の素材や特徴を活かした郷土料理やご当地グルメが多い。
瓦そば・お好み焼き・晴寿司などのバラエティに富んだご当地グルメは、それぞれの食文化や風土の違いを感じられる。
山陰山陽地方のグルメを紹介している、こちらの記事も参考に観光スポットを巡れば楽しい旅になるはずだ。
山陰山陽観光に関するよくある質問
Q
山陰山陽地方でお勧めの絶景スポットは?
世界遺産の「厳島神社」や日本最大級の砂丘「鳥取砂丘」などがお勧めです。
Q
山陰山陽地方で有名な観光スポットは?
世界遺産「原爆ドーム」や日本三名園のひとつ「後楽園」、格式高い神社である「出雲大社」などが有名です。
まとめ
山陰山陽地方の県ごとに魅力溢れる観光スポットを紹介してきた。
この記事では紹介しきれなかった観光スポットもたくさんあるため、詳しくは各県の記事を参考にしてほしい。
山陰山陽地方以外にも、日本には魅力的な地方が数多く存在する。
日本の定番観光スポットやグルメもまとめた、下記の記事も参考に日本旅行のプランを立ててみてはいかがだろうか。