赤福本店
江戸時代初期の宝永4年(1707)創業の老舗。伊勢神宮のおひざ元で、伊勢参りに訪れた人びとを長年もてなしてきた名物が「赤福餅」だ。モチモチのお餅の上にこしあんがのった餅菓子の1種で、形状が特徴的。あんにつけた3つの筋は伊勢神宮の神域を流れる五十鈴川の清らかな流れを、白いお餅は川底の小石を表しているという。
おはらい町に入って右に曲がると見えてくるので、赤福本店は実際かなり見つけやすい。ここが赤福を最も代表する本店で、今回私が行った時間帯はわりと良く、びっくりするほどの行列には遭遇しなかった。ただ、もしすごい人混みで、どうしても本店で食べたいというこだわりがないなら、ここで時間を費やす必要はないと思う。近くにはほかにも赤福の店舗があるので、そちらを選べる。
赤福餅そのものについては、個人的に一番すごいのは、実はあんこだと思う。小豆のあんを細かくこしすぎると、豆の香りまで失われやすい。でも豆の香りを残そうとすると、これほど滑らかに仕上げるのは難しい。赤福のあんは、その2つをうまく両立していて、口当たりがとても滑らかなのに、ただ甘いだけではなく、小豆そのものの香りもしっかり味わえる。こういう一見シンプルな和菓子は、実は小豆の扱いが非常に問われる。赤福はこの点で本当にすごいと思う。
しかも一番意外だったのは、想像していたほど甘くなかったこと。もちろん甘さはあるけれど、添えられた温かいお茶と一緒にいただくと甘さがちょうど和らぎ、全体のバランスが戻る。赤福のこの甘さ加減には、個人的に本当に感心した。
今回訪れたときは、ちょうど夏季限定の赤福水ようかんもあった。赤福水ようかんは北海道産小豆で作られた水ようかんで、「一枚流し」という方法で一箱丸ごと作られており、とても評判が良い。もともとはかなり買いたかったのだが、これは冷凍商品で低温保存が必要。問題は、行ったのが8月で、買ったあともずっと観光の予定があり、最後には大阪まで向かわなければならなかったこと。こういう冷凍商品はどう考えても買うのに向いていない。もう少し小さな箱なら、おかげ横丁を見て回ったあとに場所を見つけてそのまま食べ切れたのに、よりによって320gの大箱。いくら甘いものが食べられる私でも、一気に片付けるのは無理なので、最終的には泣く泣く諦めるしかなかった。





























